地球から見た1年の太陽の動きを24等分し、季節を表す二十四節気(にじゅうしせっき)。
二十四節気の各節気をさらに5日くらいずつに分けたのが七十二候(しちじゅうにこう)です。
3月20日~4月3日頃は二十四節気の「春分(しゅんぶん)」です。
太陽が真東から昇り真西に沈むため昼と夜の長さがほぼ同じになるのが「春分日」で、国立天文台の算出に基づいて前年の2月に発表されます。
この春分日が祝日の「春分の日」で、自然をたたえ生物をいつくしむ日です。
七十二候のうち、春分の時期に当たる三候をイメージした消しゴムはんこを作ってみました。
二十四節気・春分の時期の三候をイメージした消しゴムはんこ
二十四節気の春分は、七十二候で
・「雀始巣(すずめはじめてすくう)」
・「桜始開(さくらはじめてひらく)」
・「雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)」
の三候に分けられています。
雀始巣(すずめはじめてすくう)
3月20日~3月24日頃は「雀始巣(すずめはじめてすくう)」です。
スズメが巣を構えはじめるという意味です。
着物の江戸小紋などに見られる雀文様を消しゴムはんこにしてみました。
点と短い線だけでスズメを表した江戸時代の人たちのデザイン力のすごさを改めて感じます。
スズメには「竹に雀」という言葉もあります。
「竹に雀」とは、立春でご紹介した「梅に鶯(うぐいす)」と同じく、よい取り合わせ、調和するふたつのもの、仲のよい間柄のたとえです。
簡略化されたスズメに合わせるため、竹も葉だけで簡単に表しました。
スズメが巣を構えはじめる時期であることから、スズメの消しゴムはんこをふたつ押し、つがいを表しました。
スズメのオスとメスの見た目には目立ったちがいがなく、見分けるのは難しいそうです。
桜始開(さくらはじめてひらく)
3月25日~3月29日頃は「桜始開(さくらはじめてひらく)」です。
桜の花が咲きはじめるという意味です。
桜の花のモチーフは日本の伝統紋様の中でもなじみ深いもののひとつです。
啓蟄の消しゴムはんこでもご紹介したように、桜は花びらの先が割れていて、房のように咲く特徴があります。
消しゴムはんこは、先割れした花びらが五つ集まった花を彫りました。
雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)
3月30日~4月3日頃は「雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)」です。
遠くで雷の音がしはじめるという意味です。
春が来たことを告げる春雷(しゅんらい)は、風情を感じさせる春の季語です。
夏場の雷ほどの激しさはないものの、雹(ひょう)を降らせるちょっとやっかいなお天気でもあります。
消しゴムはんこでは、春雷のやっかいさがほどほどであることを願いつつ、雷神さんが「やぁ!」とやってくる様子を彫りました。
参考サイト・書籍
国立天文台 天文情報センター 暦計算室
All About 暮らし/暮らしの歳時記「2020年の春分の日はいつ?春分の意味や彼岸との関係」
Wikipedia「七十二候」
暦生活、高月美樹・監修「まいにち暦生活 日本の暮らしを楽しむ365のコツ」ナツメ社,2020年片野隆志「江戸文様事典」河出書房新社,1987年春分の箸袋:作った消しゴムはんこと懐紙で
作った消しゴムはんこを、夫のお弁当用の箸を包む箸袋の飾りに使いました。
懐紙を半分に切り、三つ折りにした箸袋に消しゴムはんこを押します。
桜の花のはんこは、やさしめの色のスタンプインクを使ったので写真だと見えにくくなってしまいました。
いよいよ年度末を迎えるこの時期は、何かと気忙しいですね。
夫も年度末は毎年激務ですので、お弁当を食べる時間くらいはほっとひと息ついてもらいたいものです。