地球から見た1年の太陽の動きを24等分し、季節を表す二十四節気(にじゅうしせっき)。
二十四節気の各節気をさらに5日くらいずつに分けたのが七十二候(しちじゅうにこう)です。
3月5日~3月19日頃は二十四節気の「啓蟄(けいちつ)」です。
啓蟄は冬ごもりしていた虫たちが土の中から出てくるころです。
七十二候のうち、啓蟄の時期に当たる三候をイメージした消しゴムはんこを作ってみました。
二十四節気・啓蟄の時期の三候をイメージした消しゴムはんこ
二十四節気の啓蟄は、七十二候で
・「蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)」
・「桃始笑(ももはじめてさく)」
・「菜虫化蝶(なむしちょうとなる)」
の三候に分けられています。
蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)
3月5日~3月9日頃は「蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)」です。
冬ごもりしていた虫が出てくるという意味です。
「虫」は昆虫だけでなく、蛇(へび)、蛙(かえる)、蜥蜴(とかげ)なども含むのだそうです。
とはいえ、わたしが「虫」でイメージするのは昆虫ですので、消しゴムはんこではアリを彫りました。
昆虫は、卵、幼虫、さなぎ、成虫のどの姿で冬を越すか種類によって違います。
アリは成虫の姿のまま巣穴で寒い時期をしのぎます。
春の暖かい日差しを浴びて、「よ~し!!」と動きはじめるアリを表してみました。
桃始笑(ももはじめてさく)
3月10日~3月14日頃は「桃始笑(ももはじめてさく)」です。
桃の花が咲きはじめるという意味です。
梅の花や桜の花はもんきりあそびや着物の文様でもおなじみですし、桃の実のモチーフもよくあります。
でも、桃の花はあまり見たことがありません。
梅の花と桃の花の見分け方もわからなかったので調べてみました。
梅:花びらの先が丸く、枝にぽつぽつと花が付く
桃:花びらの先がとがっていて、梅よりも混んで咲く
桜:花びらの先が割れていて、房のように咲く
など、花びらの形や枝に対する花の混み具合に違いがあります。
消しゴムはんこは、梅や桜の文様を元に、花びらの先をとがらせた五弁の花を彫りました。
菜虫化蝶(なむしちょうとなる)
3月15日~3月19日頃は「菜虫化蝶(なむしちょうとなる)」です。
青虫が羽化してモンシロチョウになるという意味です。
消しゴムはんこで彫ったのはモンシロチョウでなく、「宝結び(胡)蝶」という紋です。
宝結びは無限を表し、長寿や人と人を結ぶ縁起物とされています。
複雑な形の結び目は、封の役割も果たします。
羽を開いた蝶を模した宝結びは、かわいらしさと遊び心が加わって、わたしの好きな形のひとつです。
細い線だらけなので、消しゴムはんこを彫る作業は緊張しました。
もんきりあそびでひとつずつ切り出すのも楽しいのですが、はんこにしておけば気軽に手紙などの封としても使えるかなと思っています。
参考サイト・書籍
国立天文台 天文情報センター 暦計算室
All About 暮らし/暮らしの歳時記「啓蟄(けいちつ)とは?2020年はいつ・意味や風物詩を解説」
All About 暮らし/暮らしの歳時記「『桜・桃・梅』違いがもう混乱しない!見分け方・花びら・開花時期・花言葉」
Wikipedia「七十二候」
啓蟄の箸袋:作った消しゴムはんこと懐紙で
作った消しゴムはんこを、夫のお弁当用の箸を包む箸袋の飾りに使いました。
懐紙を半分に切り、三つ折りにした箸袋に消しゴムはんこを押します。
消しゴムはんこを押すのに使うスタンプインクも、明るく温かみのある色を自然と選びたくなります。
春の気配が感じられ、ちょっと気持ちがそわそわしてしまう時期でもありますね。
お弁当作りは、落ち着いて、落ち着いて…。