冬が近づくと、通りの庭木に鈴なりになっているゆずの実が急にまぶしく感じられます。
ゆずの香りが好きで、ふだんから入浴剤やボディーソープなどはできる限りゆずを選んでしまいます。
特に冬場は、ゆず茶や冬至のゆず湯など、ゆずを楽しむ機会が増えるのがうれしいです。
そして、ゆずが好きだったらしい一度も会ったことのない父方の祖母を思い浮かべることも増えます。
会ったことのない父方のもう一人の祖母
若くして亡くなった父の生母
わたしの父は6人きょうだいの5番目に生まれ、二人の母がいます。
父の生母は、父がものごころつく前に扁桃腺炎が悪化し、若いうちに亡くなりました。
亡くなった生母の実の妹が祖父と結婚し、幼かった父たちを育ててくれました。
わたしが実際にふれ合ってかわいがってもらってきた父方の祖母は、血縁関係としては父の叔母ですが、父の育ての母です。
父に二人の母がいることを知ったのはわたしが中学生のときでしたが、会ったことのない父の生母に特別な思いを抱くこともありませんでした。
わたしの「守護霊」になってくれているらしい父の生母
わたしが就職、転職、結婚、出産を経て、フルタイムの仕事を辞めようと考え出したころ、いわゆる守護霊が見えたり、話せたりする同僚に出会いました。
同僚によると、わたしには二人の守護霊さんがついていて、そのうちの一人が父の生母だそうです。
同僚がわたしの守護霊になっている父の生母について教えてくれたのは、
・髪を夜会巻きにして着物を着ている
・本当は旅館の女将さんのような仕事がしたいと思っていたらしい
・着物のたもとにゆずの実をしのばせていて、ときどき取り出して香りをかいでいる
・ゆずの実が古くなると、どこからか新しいゆずを手に入れてきて、うれしそうに香りをかいでいる
・ゆずの文香に大事な思い出があって大切にしている
ということでした。
当時、辞めようと考え始めていた仕事は、守護霊さんは二人とも辞めることに大賛成だと言ってくれていたようです。
同僚によると、守護霊さんが飲んだり食べたりしたいものは、守護霊さんのついている人が飲んだり食べたりすれば、守護霊さんも味わえるのだそうです。
つまり、わたしがゆずの香りをかいだり、ゆずフレーバーのものを味わったりすれば、わたしについている父の生母(の霊)にも同じようにゆずの香りを楽しんでもらえるのです。
わたし自身は全く霊感がなく、父の生母の気配は全く感じられません。
生前の父の生母を知る親戚もほとんどいないので、同僚が教えてくれた父の生母の姿が生前にも実際に見られた姿なのか、確かめる術もありません。
でも、父の生母は確かに生きていた人で、わたしの祖母の一人です。
娘を授かった今となっては、幼い子供たちを残していかなければならなかった父の生母の気持ちも少しは想像できるようになりました。
一度も会ったことのない祖母ですが、ゆずの香りが好きだという共通点がうれしく、もともと好きだったゆずがさらに好きになりました。
ゆずの香り
文香(ふみこう)のこと
父の生母のことを同僚から教えてもらったとき、初めて「文香(ふみこう)」のことを知りました。
「文香」とは、手紙に添えて香りを送るため、細かくした香木やお香を和紙で包んだものです。
平安時代は和紙そのものに香を焚きしめて、手紙に香りも乗せて思いを伝えていたそうです。
今は、香木やお香だけでなく、エッセンシャルオイルをたらしたティッシュペーパーを使って手軽に作る方法もあります。
父の生母が霊になっても大切にしている文香は、子孫が知らない自分だけの思い出の品なのか、結婚して家庭を築いていくなかでの思い出の品なのかはわかりません。
どのような思い出なのかもわかりませんが、短いけれど自分の人生を生き抜いた父の生母につながれるような気がします。
ゆずの香りの効果
これまでは、入浴剤やボディーソープ以外にも、ゆず茶やゆずの果実酒を作ったり、ゆずのエッセンシャルオイルをアロマディフューザーで香らせたりして楽しむことが多かったです。
ゆずの香りにはいろいろな効能がありますが、
・血行促進
・リラックス
・肌の保湿
が代表的です。
緊張が強めで肩こりがひどく、かつ、乾燥肌のわたしにはうれしい効果です。
さわやかで明るいけれども、少し苦みのあるゆずの香りは、本当に落ち着きます。
見た目も控えめでかわいい佇まいのゆず、この冬はどうやって楽しもうか考えるとわくわくします。