二十四節気・立冬の時期の七十二候をイメージした消しゴムはんこ

立冬ひとやすみ

地球から見た1年の太陽の動きを24等分し、季節を表す二十四節気(にじゅうしせっき)。

二十四節気の各節気をさらに5日くらいずつに分けたのが七十二候(しちじゅうにこう)です。


11月7日~11月21日頃は二十四節気の「立冬(りっとう)」です。

冬の気配が感じられるようになる時期です。

七十二候のうち、立冬の時期に当たる三候をイメージした消しゴムはんこを作ってみました。
 

二十四節気・立冬の時期の三候をイメージした消しゴムはんこ

二十四節気の立冬は、七十二候で

・「山茶始開(つばきはじめてひらく)」
・「地始凍(ちはじめてこおる)」
・「金盞香(きんせんかさく)」

の三候に分けられています。
 

山茶始開(つばきはじめてひらく)

山茶始開イメージの消しゴムはんこ

11月7日~11月11日頃は「山茶始開(つばきはじめてひらく)」です。

サザンカが咲きはじめるという意味です。

「山茶」を「つばき」と読ませていますが、サザンカ(山茶花)を指します。


ツバキもサザンカも寒い時期を彩ってくれる風情のある花で、よく似ていますよね。

どちらもツバキ科ツバキ属の植物ですが、

ツバキ (椿)  :12~4月頃にカップ状で厚みのある花が咲き、散るときは花ごと。
          葉の表も裏もツルツルしている。 

サザンカ(山茶花):10~12月頃にツバキよりも平面的な花が咲き、散るときは花びらで。
          葉の縁がツバキよりギザギザで、裏には毛がある。 

とのちがいがあるそうです。


消しゴムはんこではできるだけサザンカを目指しました。

家紋の「横見梅」と「三つ椿」を参考に、ツバキに似たやや平面的な花を彫りました。
 

地始凍(ちはじめてこおる)

地始凍イメージの消しゴムはんこ

11月12日~11月16日頃は「地始凍(ちはじめてこおる)」です。

大地が凍りはじめるという意味です。


「大地が凍る」というと霜柱が立つイメージですが、わたしの技術では表現が困難です。

消しゴムはんこで今までに作ってきた大地シリーズの一環として、「寒くてちょっと固まっちゃうなぁ~」と思っている大地と、家紋の「初雪」を合わせてみました。

娘に「おいもさん」と呼ばれる大地シリーズは、これまでに 

・春:雨水の「土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)」 
・夏:大暑の「土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし)」
・秋:処暑の「天地始粛(てんちはじめてさむし)」

と3つ彫りました。

「地始凍」で冬バージョンの大地ができたので、四季分がそろいました。

おいもさんのような大地

金盞香(きんせんかさく)

金盞香イメージの消しゴムはんこ

11月17日~11月21日頃は「金盞香(きんせんかさく)」です。

スイセンの花が咲くという意味です。

スイセンの別名は「雪中花」の他に、「金盞銀台(きんさんぎんだい)」があります。

金盞は金色の盃、銀台は銀色の台のことで、スイセンの花の中央の黄色い部分を金色の盃に、白い花びらを白銀の台に例えています。

スイセンというと、ギリシア神話に登場する美青年ナルキッソスが水面に映る自分に見惚れ、やがてスイセンの花になってしまったというお話もあります。

スイセンの花の美しさは、洋の東西を問わず人を惹きつけてきたのですね。


「金盞」はキク科の金盞花(キンセンカ)を表しているとする説もあるそうですが、わたしはスイセン説に基づいて消しゴムはんこを作ってみました。

家紋の「根引き水仙」を簡略化して彫りました。

参考サイト・書籍

国立天文台 天文情報センター 暦計算室

Wikipedia「七十二候

All About 暮らし/暮らしの歳時記「立冬とは?2020年はいつ?意味・風習や過ごし方を解説

LOVE GREEN 「椿(ツバキ)と山茶花(サザンカ)を見分ける方法をご紹介

日本気象協会/ALiNKインターネット tenki.jp 「紅葉の晩秋に咲き香る『金盞』。それって何の花?七十二候『金盞香(きんせんかさく)』
 

 

立冬の箸袋:作った消しゴムはんこと懐紙・キッチンペーパーで

作った消しゴムはんこを、夫のお弁当用の箸を包む箸袋の飾りに使いました。

・懐紙を半分に切り、三つ折りにした箸袋 
・キッチンペーパーを半分に切り、四つ折りにした箸袋 

にそれぞれ消しゴムはんこを押します。

立冬イメージの消しゴムはんこで箸袋

今年の実りに感謝しながら、寒さへの備えも心がけたいと思います。