地球から見た1年の太陽の動きを24等分し、季節を表す二十四節気(にじゅうしせっき)。
二十四節気の各節気をさらに5日くらいずつに分けたのが七十二候(しちじゅうにこう)です。
8月22日~9月6日頃は二十四節気の「処暑(しょしょ)」です。
体感とのギャップはありますが、暑さがおさまる頃とされています。
七十二候のうち、処暑の時期に当たる三候をイメージした消しゴムはんこを作ってみました。
二十四節気・処暑の時期の三候をイメージした消しゴムはんこ
二十四節気の処暑は、七十二候で
・「綿柎開(わたのはなしべひらく)」
・「天地始粛(てんちはじめてさむし)」
・「禾乃登(こくものすなわちみのる)」
の三候に分けられています。
綿柎開(わたのはなしべひらく)
8月22日~8月27日頃は「綿柎開(わたのはなしべひらく)」です。
ワタ(綿)を包むガクが開くという意味です。
木綿となったワタには毎日お世話になっていますが、植物としてのワタは知らないことだらけなので、少し調べてみました。
ワタは熱帯・亜熱帯地方原産のアオイ科の植物で、7月頃からハイビスカスに似た花を次々に咲かせます。
花は一日でしぼんでしまいますが、淡い黄色の花がしぼむ頃には薄いピンク色になるのだそうです。
花が終わってから一ヶ月ほどすると、果実がはじけてふわふわの綿毛が顔を出します。
消しゴムはんこでは、ワタの果実がはじけて綿花になった様子を彫ってみました。
白くてふわふわしたものを表したかったのですが、難しいものですね…。
天地始粛(てんちはじめてさむし)
8月28日~9月1日頃は「天地始粛(てんちはじめてさむし)」です。
ようやく暑さが鎮まるという意味です。
「粛」という漢字にはつつしむ、おごそか、ただす、いましめる、等の意味がありますが、タガの外れたような暑さが鎮まり、落ち着いて過ごせる時期が始まってくれるのは大歓迎です。
消しゴムはんこは、雨水の「土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)」、大暑の「土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし)」に続き、お芋さんにも見える大地シリーズです。
涼しい風で蒸し暑さがやわらぎ、大地がほっとしているイメージです。
禾乃登(こくものすなわちみのる)
9月2日~9月6日頃は「禾乃登(こくものすなわちみのる)」です。
稲が実るという意味です。
漢字の「禾」は、「いね」、「のぎ」と読みます。
「いね」はお米が実る稲ですし、「のぎ」はイネ科の植物の穂先にある針のような突起をいう芒(のぎ)です。
そもそも「禾」は粟(あわ)を指し、日本に稲より先に伝来したのは粟だそうです。
「禾」を「こくもの」と読ませるのには、稲、粟をはじめとした穀物を大切にし、実りを喜ぶ気持ちが込められているのかもしれませんね。
消しゴムはんこは、家紋の「一本稲」を少し簡略化して彫りました。
粟の家紋もあり、ふっくらと描かれる粟の穂が豊かなイメージを呼ぶのですが、ひとつひとつの実が細かすぎてわたしの技術ではとても彫り切れません。
ふだん最もなじみのある穀物はお米なので、稲に「こくもの」の代表になってもらいました。
参考サイト・書籍
国立天文台 天文情報センター 暦計算室
Wikipedia「七十二候」
処暑の箸袋:作った消しゴムはんこと懐紙・キッチンペーパーで
作った消しゴムはんこを、夫のお弁当用の箸を包む箸袋の飾りに使いました。
・懐紙を半分に切り、三つ折りにした箸袋
・キッチンペーパーを半分に切り、四つ折りにした箸袋
にそれぞれ消しゴムはんこを押します。
お盆や夏休みが終わり、気持ちを新たに日々の生活を送りはじめる時期です。
暑さでへとへとになった体力を回復できるよう、食中毒に細心の注意を払いながらお弁当作りをしたいと思います。