NHK Eテレ「びじゅチューン!」で2020年8月26日に放送された「歩く泡」。
モデルとなった白熊も、過去作品にも出てきたびじゅチューン!キャラクターたちもそれぞれに魅力的です。
わたしが気になったもののひとつが、アニメーション中にちらりと登場するムンク店長印の菓子折りです。
100円ショップの折り紙と強力マグネットを使って、「歩く泡」に出てくるムンク店長印の菓子折りをマグネットにしてみました。
びじゅチューン!「歩く泡」とは
びじゅチューン!は、NHK Eテレで放送されている5分間番組です。
古今東西の美術作品を、アーティスト・井上涼さんの作った歌とアニメーションで楽しく紹介してくれます。
(びじゅチューン!の公式サイトはこちら)
「歩く泡」はびじゅチューン!の作品のひとつです
びじゅチューン!「歩く泡」は、フランスの彫刻家フランソワ・ポンポン(1855~1933)が1922年、67歳で発表した「白熊」(オルセー美術館)がモデルです。
ポンポンは「地獄の門」等で知られるロダンの工房で働いていたそうです。
大理石でほぼ実物大に作られた白熊は、つるんとシンプルな線で形作られています。
「歩く泡」のお話の内容
博士が実験室で混ぜた泡が、ほろほろ鳥 → 黒豹 → カバ の形を経て白熊になりました。
博士や助手のロボくんと一緒に、白熊は街も山も越えて楽しく歩いていくのです。
こちら ↑ は、折り紙作家・カミキィさんの「しろくま」にならって折った白熊と、「キジ」をアレンジして折った助手のロボくんです。
白熊を生み出す博士と助手のロボくんは、びじゅチューン!「博士、それ象牙多層球ですよ」で初登場します。
別のびじゅチューン!作品「特急三日月宗近」では、博士とロボくんが車掌として登場します。
考察や実験に熱中して周りが見えなくなる博士をロボくんがフォローしますが、「歩く泡」ではロボくんの健気さが際立っています。
「博士、それ象牙多層球ですよ」は「びじゅチューン!DVD BOOK3」、「特急三日月宗近」は「びじゅチューン!DVD BOOK4」にそれぞれ収録されています。
ムンク店長印の菓子折り…?
びじゅチューン!「歩く泡」の開始45秒頃に、ロボくんが申し訳なさそうに菓子折りを手にしている場面があります。
歩いているうちに街を泡だらけにしてしまい、博士や白熊と一緒に街の人々におわびしているのです。
この菓子折り、包装紙がムンクの叫びの顔の模様で、中央に「ごめん」とメッセージが書かれています。
ムンクの叫びの顔の模様なのは、びじゅチューン!の初期作品「ムンクの叫びラーメン」に登場するラーメン店のムンク店長が関係しているのでしょう。
これまでに登場したムンク店長に関係するグッズには、
・「ランチは地獄の門の奥に」、「何にでも牛乳を注ぐ女」:ムンク店長の顔がかたどられた叫びナルト
・「夏野菜たちのランウェイ」:冷蔵庫に貼られたムンク店長マグネット( → 以前、わたしもフェルトで作ってみました)
・「厳島ライフセーバー」:叫びチップス
・「睡蓮ノート」:ムンク店長の顔の柄のペン
・「再配達には金印を」:宅配可能なラーメン(再配達伝票の記載のみの登場)
があります。
「厳島ライフセーバー」にはちょっと辛そうな叫びチップスなる商品が登場しますので、おわびの菓子折りに適する品もあるのでしょう。
そう考えると、ラーメン店だけでなくさまざまな商品を売り出す、もしくは監修しているムンク店長は、かなり凄腕の商売人と言えそうです。
ちなみに…、「ムンクの叫びラーメン」はびじゅチューン!DVD BOOK」に、
「ランチは地獄の門の奥に」はびじゅチューン!DVD BOOK2」に、
「夏野菜たちのランウェイ」はびじゅチューン!DVD BOOK3」に、
「何にでも牛乳を注ぐ女」、「厳島ライフセーバー」、「睡蓮ノート」は「びじゅチューン!DVD BOOK4」に、
「再配達には金印を」はびじゅチューン!DVD BOOK5」に、
それぞれ収録されています。
びじゅチューン!「歩く泡」に登場するムンク店長印の菓子折りで手作りマグネット
これまでびじゅチューン!にちなんで作った小物は、フェルトを使うことが多かったです。
そんな中、折り紙作品のコーティングについて、自分なりにいろいろ試しました。
→ 「【折り紙作品のコーティング】100均の水性ニス・レジン液・ネイルのトップコート・デコパージュ液、どれがいい?」
→ 「【折り紙作品のコーティング】100均のネイルのトップコートを生かすには?」
これらの成果を活かすべく、今回は折り紙を使った手作りマグネットに挑戦です。
材料・用具
・強力マグネット
・折り紙
・水性ニス
・ネイルのトップコート
・筆
ここまで100円ショップで買ったものです。
さらに、
・マスキングテープ
・手芸用わた
も必要です。
あとは、
・鉛筆
・はさみ
・のり
・つまようじ
・両面テープ
・お弁当用のアルミケース:水性ニスを塗るときのパレット代わり
・クッキングシート:水性ニスやトップコートを塗って乾かすときの置き場所
を準備しました。
作り方
作り方の大まかな流れは、
①箱を作って強力マグネットを仕込む
②ムンク店長印の包装紙を作る
③箱を包装紙で包む
④仕上げのコーティングをする
です。
①箱を作って強力マグネットを仕込む
一般的な大きさの折り紙を4分の1サイズの7.5㎝角にします。
その折り紙で伝承作品の枡(重ね箱)をふたつ作ります。
参考にしたのは、折り紙オンラインさんの「折り紙の実用的な『重ね箱(フタ付き箱)の折り方』」です。
ふたにあたる方は少し大きめに折ります。
強力マグネットをマスキングテープで箱の本体(少し小さい方)に固定します。
試作したとき、強力マグネットを下方向に寄せると具合がよいことがわかったので、中央下に貼り付けました。
箱の中の空間を埋めるように手芸用わたを詰め、ふた(少し大きく作った方)をかぶせます。
②ムンク店長印の包装紙を作る
包装紙として使うオレンジ色の折り紙も7.5㎝角です。
①の箱をスクエア包み(風呂敷包み)で一度包んで折り筋を付け、開きます。
スクエア包み(風呂敷包み)は、わたしにはちょっと難しいラッピング方法だったので、株式会社シモジマさんの公式チャンネル「基本のラッピング“風呂敷包み”」を見ながら何度か練習しました。
うすだいだい色の折り紙でムンク店長の顔の形を作ります。
たたんだ折り紙にムンク店長の顔の輪郭を描き、ハサミで切り出しました。
折り筋を付けたオレンジ色の折り紙に、切り出したパーツをのりで貼り付けます。
びじゅチューン!のアニメーションを一時停止して確認しながら、なるべく近い位置になるよう心掛けました。
ムンク店長の顔型に目と口をボールペンで描き込みます。
白色の折り紙で「ごめん」の紙、小豆色の折り紙でひも(水引?)を作りました。
包装紙は表だけ、「ごめん」の紙とひも(水引?)は表裏両面を、水性ニスでコーティングしました。
③箱を包装紙で包む
①の箱を②の包装紙で包みます。
「ごめん」の紙とひも(水引?)を両面テープで貼り付けます。
④仕上げのコーティングをする
もう一度、全体に水性ニスを塗ります。
最後にネイルのトップコートで全体をコーティングし、よく乾かせば完成です。
できあがり!
できあがりのおおよそのサイズはタテ3㎝、ヨコ3㎝、厚さ1.5㎝です。
裏側はこんなです。
いやしの担々麺ならぬ、いやしの菓子折り
びじゅチューン!「歩く泡」は、モデルとなったフランソワ・ポンポンの「白熊」も、アニメーションに登場するキャラクターたちも、それぞれにかわいらしいです。
中でも、かわいいロボくんが、ムンク店長の顔が包装にあしらわれた菓子折りを申し訳なさそうに差し出している様子に心を射抜かれ、このマグネットを作ってしまいました。
3つ作ったので、わが家と職場にひとつずつ、残りのひとつはわたしのびじゅチューン!熱を理解してくれる上司にプレゼントしました。
おそらく喜んでもらえた、と思います…。
一瞬登場するだけの小道具でも心のトゲトゲを溶かしてくれるびじゅチューン!は、やっぱりすごいです!