夏の着物といえば浴衣を思い浮かべることが多いのではないでしょうか。
浴衣はカジュアル度が強いので、少し改まった場に出かけるには夏用の着物が必要です。
この夏、着付け教室の行事に出席することになりました。
「小紋以上のフォーマル寄りの着物」、「帯はお太鼓結び」というドレスコードを夏の着物でクリアしなければなりません。
小心者かつ初心者で、浴衣以外の夏の着物や帯を持たないわたしが、着物を手に入れ行事参加を果たすまでの体験をまとめました。
夏の着物を手に入れる
わたしは、ある程度改まった場に着ていける夏の着物類を、何も持っていませんでした。
実家の母に夏の着物や帯を持っていないか聞いてみましたが、
「夏なんか着物着ないもん!」
「おばあちゃんのがあったかもしれないけど、着ないと思って処分したよ。」
との返答でした。
わたしが和裁教室にも通っていることを知っている着付け教室の先生や先輩生徒さんからは、
「自分で縫ったらいいじゃない!」
と言われましたが、そちらも初心者なのでとても間に合いません。
夏の着物を買うしかありません。
目的の行事への参加後、自分から積極的に夏の着物を着るとは思えないので、できるだけ低予算でしのいでいくことにしました。
着る場面と季節に悩まされました
参加する行事は、着付け講師の認定証や看板を授与していただく、ややフォーマルなものです。
カジュアルすぎる格好で参加するわけにはいきません。
訪問着、付け下げ、色無地、上品な小紋、あたりの着物が望ましい場面です。
行事は7月下旬の開催ですので、夏用の着物の時期です。
夏用の着物は単(ひとえ)仕立ての薄物です。
「絽(ろ)」や「紗(しゃ)」など、透け感がありさらりとした肌触りと通気性の良い生地でできています。
帯も軽やかな生地でできています。
着物は季節ごとにアイテムが変わります。
個人で楽しむには、自身の体質や好み、その日の気候で柔軟に変化させてより快適に着ればいいと思いますが、そうは言っていられない場面もあります。
今回は、まさに「そうは言っていられない場面」でした。
フォーマル寄りで、より着用期間の長い絽(ろ)が適していると感じました。
長襦袢・着物・帯・帯揚げ・帯締めを買いました
長襦袢
着付け教室で、ポリエステルの絽(ろ)を使った仕立て済みの長襦袢を買いました。
お稽古用の長襦袢で、ポリエステルなので気軽に洗えます。
着付け教室の先生から「半衿は白の絽(ろ)でね。」とお話がありましたので、和裁教室の先生にお願いして半衿付けをしました。
和裁教室の先生があらかじめカットしておいてくださった洗える衿芯を縫いつけ、それをバイアス生地の洗える絽の半衿で包むように縫いつけます。
半衿ごと洗濯しても大丈夫なので助かります。
着物・帯・帯揚げ・帯締め
さんざん考えた末に、ネット通販で着物・帯・帯揚げ・帯締めのセットを買いました。
- 「小紋以上のフォーマル寄りの着物」、「帯はお太鼓結び」というドレスコードをクリアできる
- 汗や汚れを怖がらないで済むようにポリエステルの洗える着物
- 着用回数が少ないであろうことから、なるべくお手頃価格のもの
という条件で選びました。
着付け教室の先生からは着用場面の広い江戸小紋を勧めていただいたのですが、帯・帯揚げ・帯締めまでセットでお手頃価格の商品を見つけられませんでした。
最終的に買ったのはこちらです。
着物は絽(ろ)の色無地の仕立て上がりのMサイズです。
身丈160cm、袖丈49cm、裄丈66cmです。
着物の色を決めるときに役立ったのはパーソナルカラー診断の結果です。
(パーソナルカラー診断については「【パーソナルカラー診断】親子それぞれで受けました」の記事もどうぞ)
わたしも娘もブルーベースですし、娘が好きな色にしておけば着る回数が増えるかもしれないと思い、明るめの水色を選びました。
帯・帯揚げ・帯締めはこちらから指定できませんが、お店の方が着物に合わせてコーディネートしてくださり、初心者にはありがたかったです。
控えめな色柄の絽の名古屋帯、涼しげな絽の帯揚げ、夏向きの帯揚げがセットされていました。
夏の着物を着る
長襦袢も、着物も帯も、「なんて軽いんだろう!」というのが第一印象でした。
長襦袢と着物はポリエステルながらも透ける生地ですので、それなりの涼しさです。
帯は柔らかいので、わたしには扱いが難しかったです。
着付け教室の行事当日は、家から自分で着物を着て出かけますので、少しでも余裕を持って楽に着られるよう「改良枕」という帯枕を使って簡単にお太鼓結びをしました。
着物を着て初めてひとりで出かけました
ひとりで着物を着て、ひとりで出かけるのは、実は初めてでした。
家から着付け教室の行事会場までの行き帰りは、タクシーに乗りました。
自分で車を運転しようと思っていたのですが、
「着慣れない着物で車を運転するのは危ないよ。」
と義父に止められたので、安全を最優先しました。
行事には無事に参加することができ、先生方、先輩方の素敵な着物や着姿にうっとりの連続でした。
帰りに乗ったタクシーの運転手さんが「涼しそうないい色の着物ですね。」と声をかけてくださり、うれしかったです。
夏着物を着る機会はそれほど多くないでしょうが、これから着物で出かけることには慣れていきたいなと思います。