わたしは、いわゆる「出っ歯」でした。
子どものときに歯の矯正治療を受けましたが、途中で挫折して、20才で改めて治療を受け直しました。
わたしは、歯の矯正治療を受けてよかったと思っています。
大人になってから受けた歯の矯正治療の実体験を、費用、期間、痛みの状態も含めてご紹介します。
20年近く前のことなので、記憶があいまいな部分もありますが、できる限り思い出してまとめてみました。
実例のひとつとして、どなたかのご参考になれば幸いです。
(娘の歯の矯正治療の実体験も記事にしてありますので、よろしければご覧ください。)
歯の矯正治療を受けるまで
子どもの頃に受けた治療と、挫折
わたしは、子どもの歯のときから虫歯がたくさんありました。
虫歯の治療で通っていた歯医者さんから、小学生3年生頃に歯の矯正治療を勧められました。
歯医者さんから直々の勧めていただいたこともあり、実母は迷わずわたしを紹介された歯の矯正治療専門の歯医者さんに連れて行ってくれました。
治療がはじまって、上の歯に装置を付けたら、数カ月で歯がきれいに並んだことを覚えています。
その後の治療として、
①大人の歯を4本抜いて、歯を並べる
②あごの発達を促してみる
の提案がありました。
歯を抜くときの麻酔の注射が痛いので、注射を避けたい一心で②の治療を受けました。
ヘッドギアのような装置を使った治療の結果、あごは発達しました。
でも、歯の矯正治療の先生からは、
「歯並びをきれいにするには、上下2本ずつの大人の歯を抜く必要があります。」
と言われました。
歯を抜かなければ治療が前に進まない、とわかったところで挫折しました。
どうしても、歯を抜くのがいやだったんです。
歯を抜くこと自体がいやなのではなく、歯を抜くための麻酔が痛すぎて、本当にいやでたまりませんでした。
歯の矯正治療をやめることに、両親からは特に反対されませんでした。
実母に確認してみたところ、わたしが小学生のときに歯の矯正治療を受けていたのは約2年間で、費用は40万円ほどだったそうです。
改めて治療を受けたのは、成人式の前撮りがきっかけでした
歯の矯正治療を中断して、「出っ歯」のまま日々を過ごしていました。
ふだんの生活に特に支障は感じていませんでした。
20才を迎え、振袖を着せてもらい記念写真を前撮りすることになりました。
写真館の方が、「口を軽く閉じて、微笑んでください。」とおっしゃるのですが、「口を軽く閉じて」ができませんでした。
どうしても口元に余計な力が入ってしまいます。
写真館の方はプロなので、写真自体は修正して仕上げてくださいましたが、
「このままの歯並びはいやだなあ。」
と痛切に思いました。
両親にも相談し、まずは小学生の頃に通っていた歯医者さんとは別の、一般の歯医者さんに行きました。
歯の検診を受けた上で、歯医者さんに矯正治療専門の歯医者さんを紹介していただけるようお願いしました。
紹介していただいた矯正治療専門の歯医者さんに通いながら、検診で見つかった虫歯の治療も並行して受けました。
大人になってから受けた歯の矯正治療
治療の流れ
一般の歯医者さんからの紹介状を持って、矯正治療専門の歯医者さんに行きました。
レントゲン検査などを受け、先生から
- 上の前歯が出ていることに加え、下の歯並びも明らかに治療対象
- 歯自体は根本がしっかりしている
- あごもしっかりしている
- 親知らずは上下とも元々無い
とのお話がありました。
はじめに先生が示してくださった治療の計画は、
①上2本、下2本の計4本の大人の歯(犬歯の隣の歯)を抜く
②上下ともに装置を付ける
③歯が並んだら保定装置に切り替えて経過観察し、安定したら治療終了
でした。
②で使う、目立つ装置を付けるのは学生の間だけでよさそうとのことでした。
実際に治療を受けると、②の装置は就職後半年くらいまで付けている必要がありました。
その後の保定装置は1年ほど使っていたと思います。
費用
歯を並べるための治療で20万円、保定装置と経過観察に8万円で、合計28万円かかりました。
子どもの頃にお年玉を全部貯めさせられて(!)いたので、それとバイト代を合わせて自分で支払いました。
期間
治療期間は、1999年から2002年にかけての4年弱でした。
痛み
歯の矯正治療の痛みには種類があります。
わたしが感じたのは、以下の3つの痛みでしたが、どれも一時的でした。
歯を抜くことにまつわる痛み
小学生の頃、歯を抜くときの麻酔が本当に痛くて、麻酔の注射の痛みが治療を挫折した原因でもありました。
改めて治療を受け直した頃には、歯茎の表面にあらかじめ麻酔を塗ってから注射をしてくださるようになっていたので、麻酔の注射の痛みはそれほどひどくありませんでした。
麻酔をしているので、歯を抜くときも衝撃はありますが痛くはありません。
健康で根もしっかりしている大人の歯を抜くので、麻酔が切れてきたときにじんじんとした痛みはありました。
それでも、一晩ほどで痛みはなくなりました。
装置装着時の痛み
装置を付けるときは、奥歯にバンド状の金具をはめ、歯の表面に部品を貼りつけ、ワイヤーでつなぎます。
奥歯のバンド状の金具は歯茎に少し食い込むくらいにしっかりはめ込むので、そのときは痛かったです。
装置装着後の痛み
装置をつなぐワイヤーを少しづつ締めて歯を並べていきます。
装置のつけはじめは、違和感もありますし、歯が動き出すときのじわじわとした痛みや歯全体が締めつけられるような痛みが1番強かったです。
治療が進んで、装置のワイヤーを締める度に同じような痛みがあります。
歯が浮くような感覚もあり、食べ物が良く噛めませんので、柔らかい食べ物やゼリーなどでしのぎます。
3日くらい経つと痛みを感じなくなり、食事も普通にできるようになっていました。
歯の矯正治療を受けてから20年近く経ってみて
わたしは、歯の矯正治療を受けてよかったと思っています。
歯の矯正治療で大変なことは、
- 数十万円単位のお金がかかる
- 装置をつけている自分の口元の見た目が気になる
- 歯が動き始める2~3日間、なんとも言えない痛みがある
- 食べ物が装置にはさまりやすく、歯みがきに手間がかかる
- 歯ブラシがすぐにだめになる
- (わたしが治療していた当時は)装置にくっついてしまうガム、キャラメル、お餅類が食べられなかった
- 1~3カ月毎に矯正歯科に通い続けなければならず、めんどう
あたりでしょうか。
ただ、これらは治療中だけの大変さです。
治療が終了してしまえば、
- 口元・歯並びに感じていたコンプレックスから解放される
- 歯みがきがしやすい
- 歯みがきへの意識やスキルが上がっている
- 噛みやすくなるので食べ物がよりおいしく感じる
- 口を自然に閉じていられるので鼻呼吸がしやすい
という状態になります。
自分の口でよく噛めるのは、ものをおいしく食べられるために欠かせないことですし、健康な口の中を保つことは生きていく上で大切なことです。
歯の矯正治療を通じて、そろった歯並びだけでなく、歯の健康への意識が高まり、歯みがきのスキルアップができたことは、大きな財産でした。
わたしの場合は30万円弱で歯並びと口腔ケアのスキルを得られましたので、価値のある出費だったと思います。