地球から見た1年の太陽の動きを24等分し、季節を表す二十四節気(にじゅうしせっき)。
二十四節気の各節気をさらに5日くらいずつに分けたのが七十二候(しちじゅうにこう)です。
11月22日~12月6日頃は二十四節気の「小雪(しょうせつ)」です。
寒さで雨が雪になり、降りはじめるころです。
七十二候のうち、小雪の時期に当たる三候をイメージした消しゴムはんこを作ってみました。
二十四節気・小雪の時期の三候をイメージした消しゴムはんこ
二十四節気の小雪は、七十二候で
・「虹蔵不見(にじかくれてみえず)」
・「朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)」
・「橘始黄(たちばなはじめてきばむ)」
の三候に分けられています。
虹蔵不見(にじかくれてみえず)
11月22日~11月26日頃は「虹蔵不見(にじかくれてみえず)」です。
虹を見かけなくなるという意味です。
清明 の末候「虹始見(にじはじめてあらわる)」と対になっていますね。
わたしの住む新潟の冬はたいてい曇天が続き、青空はめったに拝めません。
そして、11月の下旬は雪が降りはじめる時期でもあります。
「虹を見かけなくなる」というと、わたしにとっては冬の雪を連れてくる雲が真っ先にイメージされます。
消しゴムはんこでは家紋の「雪」を彫りました。
わたしには雪の結晶ではなく雪雲に見えるのです。
この文様の輪郭は「雪輪」として着物でもよく見かけますね。
朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)
11月27日~12月1日頃は「朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)」です。
北風が木の葉を払いのけるという意味です。
「朔風」は北風のことです。
この時期に風に舞い散っていく木の葉のひとつは黄葉したイチョウの葉だろうと考え、消しゴムはんこでは家紋の「銀杏鶴」とイチョウの葉を彫りました。
家紋には、植物を鶴や蝶などの生き物に見立ててデザインされているものをけっこう見かけます。
鶴だけでも、稲鶴、梅鶴、杜若鶴、菊鶴、葉牡丹鶴などがあります。
銀杏鶴は鶴の羽に見立てられたイチョウの葉の広がりが風に舞う様子を表しているようですし、とにかくかわいいので消しゴムはんこで彫ってみたいと思っていた紋のひとつです。
橘始黄(たちばなはじめてきばむ)
12月2日~12月6日頃は「橘始黄(たちばなはじめてきばむ)」です。
タチバナの葉が黄葉しはじめる、あるいは、タチバナの実が黄色くなりはじめるという意味です。
タチバナはミカン科ミカン属の常緑樹なので、わたしにはタチバナの実が黄色くなりはじめるという意味のほうがしっくりきます。
タチバナは日本固有の柑橘類です。
古事記や日本書紀には、垂仁天皇から理想郷・常世の国に遣わされた田道間守(たじまもり)が持ち帰った、不老長寿を叶える非時香果(ときじくのかぐのこのみ)がタチバナだとされています。
家紋にはタチバナをモチーフにしたものが数多くあります。
また、橘紋とよく似た茶の実紋(実の後方の葉がない)も多いです。
消しゴムはんこでは、橘紋の中でもそのシンプルさに心惹かれた「団仙橘(だんせんたちばな)」を彫りました。
団仙橘で表されているのはタチバナの実です。
参考サイト・書籍
国立天文台 天文情報センター 暦計算室
Wikipedia「七十二候」
小雪の箸袋:作った消しゴムはんこと懐紙・キッチンペーパーで
作った消しゴムはんこを、夫のお弁当用の箸を包む箸袋の飾りに使いました。
・懐紙を半分に切り、三つ折りにした箸袋
・キッチンペーパーを半分に切り、四つ折りにした箸袋
にそれぞれ消しゴムはんこを押します。
今回は、消しゴムはんこで彫ってみたいと思っていたものを多く作れたので満足です。