二十四節気・清明の時期の七十二候をイメージした消しゴムはんこ

清明ひとやすみ

地球から見た1年の太陽の動きを24等分し、季節を表す二十四節気(にじゅうしせっき)。

二十四節気の各節気をさらに5日くらいずつに分けたのが七十二候(しちじゅうにこう)です。


4月4日~4月19 日頃は二十四節気の「清明(せいめい)」です。

清明は「清浄明潔(せいじょうめいけつ)」を略したもので、万物が清らかで陽気になる時期です。

七十二候のうち、清明の時期に当たる三候をイメージした消しゴムはんこを作ってみました。

二十四節気・清明の時期の三候をイメージした消しゴムはんこ

二十四節気の清明は、七十二候で

・「玄鳥至(つばめきたる)」
・「鴻雁北(こうがんかえる)」
・「虹始見(にじはじめてあらわる)」

の三候に分けられています。

玄鳥至(つばめきたる)

玄鳥至イメージの消しゴムはんこ

4月4日~4月9日頃は「玄鳥至(つばめきたる)」です。

ツバメが南からやってくるという意味です。


ツバメは、春から初夏に日本にやってきて繁殖し、秋になると暖かい南の越冬地へ渡っていく「夏鳥」です。

日本にくる目的は繁殖のためです。

南方からツバメが渡ってくるとき、オスとメスは別々にやってきて巣で待ち合わせするそうです。


消しゴムはんこは、家紋のひとつである「飛び燕(とびつばめ)」を彫りました。

ツバメは夫婦円満、家庭円満、商売繁盛のシンボルとして古くから親しまれてきました。

鴻雁北(こうがんかえる)

鴻雁北イメージの消しゴムはんこ

4月10日~4月14日頃は「鴻雁北(こうがんかえる)」です。

雁(がん/かり)が北へ渡っていくという意味です。


雁(がん/かり)はマガン、ヒシクイ、カリガネなど、カモより大きくハクチョウより小さいカモ科の水鳥の総称です。

雁は、秋に日本にやってきて冬を越し、春になると繁殖のために北へ渡っていく「冬鳥」です。

日本にくる目的は越冬のためです。

こちらも古くから親しまれてきた鳥で、家紋では雁金紋(かりがねもん)として多くのバリエーションがあります。


消しゴムはんこでは、シンプルでかわいい「二羽飛び雁」を彫りました。

雁は夫婦や親子の絆がとても強いそうです。

この時期はわたしたち夫婦の結婚記念日が近いので、雁にあやかりたいと思います。

虹始見(にじはじめてあらわる)

虹始見イメージの消しゴムはんこ

4月15日~4月19日頃は「虹始見(にじはじめてあらわる)」です。

雨の後に虹が出始めるという意味です。


消しゴムはんこでは虹そのものではなく、「花青海波(はなせいがいは)」という文様を彫りました。

青海波(せいがいは)は「無限に広がる波のように、いつまでも穏やかな暮らしが続きますように」という願いがこめられている吉祥文様です。

波を表す文様ですが、わたしには虹の連なりのようにも見えます。

春なので、より華やかでかわいらしい印象の花青海波を虹に見立ててみました。

参考サイト・書籍

国立天文台 天文情報センター 暦計算室

Wikipedia「七十二候

暦生活、高月美樹・監修「まいにち暦生活 日本の暮らしを楽しむ365のコツ」ナツメ社,2020年

森本勇矢・著、日本家紋研究会・監修「日本の家紋大事典」日本実業出版社,2013年

吉野竹次郎「図解いろは引 標準紋帖」金園社,1953年


下中菜穂「ガジェットブックス シリーズかたち 新版【文様切り型】」エクスプランテ,2009年

清明の箸袋:作った消しゴムはんこと懐紙で

作った消しゴムはんこを、夫のお弁当用の箸を包む箸袋の飾りに使いました。

懐紙を半分に切り、三つ折りにした箸袋に消しゴムはんこを押します。

清明イメージの消しゴムはんこで箸袋

春本番となり、新しい年度も始まりますね。

春のわくわくする気持ちに体が追いつけないことが増えてきたなあと感じます。

万物が清らかに輝くとされる時期、身近なところで春の輝きをひとつでも見つけてみようと思います。