地球から見た1年の太陽の動きを24等分し、季節を表す二十四節気(にじゅうしせっき)。
二十四節気の各節気をさらに5日くらいずつに分けたのが七十二候(しちじゅうにこう)です。
4月20日~5月4日頃は二十四節気の「穀雨(こくう)」です。
穀雨はあらゆる穀物を潤し育てる雨が降る、春の終わりの時期です。
七十二候のうち、穀雨の時期に当たる三候をイメージした消しゴムはんこを作ってみました。
二十四節気・穀雨の時期の三候をイメージした消しゴムはんこ
二十四節気の穀雨は、七十二候で
・「葭始生(あしはじめてしょうず)」
・「霜止出苗(しもやみてなえいずる)」
・「牡丹華(ぼたんはなさく)」
の三候に分けられています。
葭始生(あしはじめてしょうず)
4月20日~4月24日頃は「葭始生(あしはじめてしょうず)」です。
アシ(ヨシ)が芽を吹きはじめるという意味です。
消しゴムはんこでは、鎌倉時代から武具の革に使われてきた文様を参考にしたアシ(ヨシ)を彫りました。
武具に使われてきた文様は、下の図のようにいろいろあります。
伝統の芦文様は高低差を付けた七本の線でアシ(ヨシ)が表現されています。
今回表したいのはアシ(ヨシ)が芽を吹きはじめる頃なので、背丈を低くした七本の線を芽吹きはじめたアシ(ヨシ)ということにしました。
アシ(ヨシ)は水辺に茂る草なので、水辺の小型の鳥の総称といわれる千鳥(ちどり)の文様もはんこにして添えました。
霜止出苗(しもやみてなえいずる)
4月25日~4月29日頃は「霜止出苗(しもやみてなえいずる)」です。
霜が終わり稲の苗が生長するという意味です。
田んぼに整然と植えられた苗が風にそよぐ姿はすがすがしく爽やかで、実に美しい景色です。
消しゴムはんこは、そんな稲の早苗をイメージしながら彫ってみました。
今年も豊かな実りがもたらされますようにと願わずにはいられません。
牡丹華(ぼたんはなさく)
4月30日~5月4日頃は「牡丹華(ぼたんはなさく)」です。
ボタンの花が咲くという意味です。
ボタンといえば、美しい人をたとえたことわざ、
「立てば芍薬(しゃくやく) 座れば牡丹 歩く姿は百合の花」
が頭に浮かびます。
シャクヤクとボタンはどちらもボタン科ボタン属の植物で花の形もよく似ていますが、
シャクヤク:草で、すっと伸びた茎の先に花を咲かせる
葉の形がなめらか
ボ タ ン:木で、枝分かれした先に花を咲かせる
葉に切れ込みがある
というちがいがあります。
消しゴムはんこでは、家紋のひとつである「枝牡丹」という文様を、線を簡略化して彫りました。
参考サイト・書籍
国立天文台 天文情報センター 暦計算室
Wikipedia「七十二候」
片野隆志「日本文様事典」河出書房新社,1984年
下中菜穂「ガジェットブックス シリーズかたち 新版【文様切り型】」エクスプランテ,2009年
穀雨の箸袋と春の包み紙:作った消しゴムはんこと懐紙・半紙で
作った消しゴムはんこを、夫のお弁当用の箸を包む箸袋の飾りに使いました。
懐紙を半分に切り、三つ折りにした箸袋に消しゴムはんこを押します。
体感としては、穀雨の時期にようやく春を満喫できるような気がします。
暦の上では穀雨が春の締めくくりにあたるので、立春から穀雨までの春の消しゴムはんこと書道の半紙を使って、包み紙を作ることにしました。
どんな風にしようか悩んでいたら、娘がはんこを押したそうにしていたので、はんこ選び、スタンプインク選び、はんこ押しを娘に任せてみました。
娘は4種類の包み紙を作ってくれました。
わたしのお気に入りは左上のアリのはんこを使ったものです。
作ったはんこがある程度たまってくると、こんな楽しみ方もできますね。