布マスク作りのためさらし布に触れたら、刺し子のふきんを作りたくなりました。
刺し子ふきんのキットではなく手持ちのさらし布を使うので、図案の下描きは自分でしなければなりません。
基本に立ち返り、直線で構成される麻の葉模様のふきんを作ってみました。
飛び麻の葉模様の刺し子のふきんができるまで
伝統柄の麻の葉模様
麻の葉模様は、生育の早い麻にあやかれるよう、子どもの健やかな成長を願って赤ちゃんの産着や祝い着に用いられてきました。
女性の着物の柄としても人気だったそうです。
わたしも、実母の着物の中でお気に入りだったのは麻の葉模様のものでした。
直線で構成されているので潔さや安定感があり、同時に控えめな華やかさも感じられます。
今回は、規則的に空白を持たせた飛び麻の葉模様のふきんにしました。
一面に模様を連続させるのもいいのですが、飛び麻の葉にするとモチーフのひとつひとつが際立ちます。
参考にしたのは、
です。
コンパクトな本ですが図案の描き方や刺し方が解説されていますし、参考作品の写真を眺めているだけで気持ちが落ち着きます。
材料・用具
さらし布
チャコペン
定規
手縫い糸:横田ダルマさんの手縫い糸(細口)
縫い針:和裁教室で使用する四ノ三という針
待ち針
はさみ
刺し子のふきんができるまで
①さらし布に図案を描く
刺し子のふきんを作るとき、一番地味で大変だけど重要なのが図案の下描き作業だと思います。
熟練の方は下描きがなくとも刺していけるのでしょうが、わたしには必須です。
洗ってアイロンをかけたさらし布に水で消せるチャコペンを使って図案を描いていきます。
今回はさらし布をふきんの形に仕立ててから図案を描きました。
仕立てると言っても、二つ折りにしたさらし布のわと反対側の一片を縫って筒状にし、表に返すだけです。
麻の葉模様は、正三角形が連なる斜方眼がベースになります。
本に従って地道に斜方眼を描きました。
飛び麻の葉のモチーフがわかるよう線を描き足しました。
わたしはここまでに半日かかりました。
この準備に挫折しそうなときは、すでに下線がプリントされている刺し子ふきんのキットを迷わず利用するのがいいと思います。
②模様を刺す
いよいよ、模様を刺します。
同じ方向の線をまとめて刺していきます。
刺し始めと刺し終わりは糸端を布と布の間に収め、2針ほど重ねて縫い留め、玉結びはしません。
まずは四方の枠と、タテのまっすぐな線です。
次に、モチーフの柱となる斜めの線を刺します。
モチーフの外枠に当たる線を刺します。
細かい斜めの線を刺します。
最後に、飛び飛びになっているヨコのまっすぐな線を刺します。
本やキットの説明書だと、このヨコの線は下の写真のように布の間に糸を通し、つなげて刺すよう説明されています。
わたしも今まではそれに従っていたのですが、白いさらし布だとどうしても間に通した糸が透けてしまい、何となくおもしろくありません。
今回は、ちょっと手間でしたが、布の間に糸を通して連続して縫うのではなく、離れている線ごとに刺しました。
洗って下描きの線を消したら、完成です。
飛び麻の葉模様の刺し子のふきんのできあがり
できあがった飛び麻の葉の刺し子のふきんです。
表側をアップにすると…、
作業しているときの煩悩の表れか、縫い目の大きさがまちまちです。
刺し子用ではなく、普通の手縫い糸と普通の縫い針を使ったので線は細いです。
青い糸と直線のモチーフで、涼し気な印象になりました。
裏側は、
こんな感じです。
新型コロナウイルスの影響で通っている和裁教室がお休みとなり、運針の練習も兼ねて何か縫いたいと思っていたところだったので、直線で構成されている麻の葉模様はちょうどよかったです。
ふだんの生活の合間の時間で刺したので日数はかかりましたが、ちくちくと没頭できる手作業は、やはり楽しいものです。
わたしは今回、手持ちのさらし布を使うために自分で下線を描いて準備しましたが、すでに線が布にプリントされているキットもたくさん売られています。
「ふきんは用途が微妙かも…」という場合には、こちらのように ↓ ハンカチを完成させられるキットもいいですね。