びじゅチューン!「ランチは地獄の門の奥に」とは
びじゅチューン!は、NHK Eテレで放送されている5分間番組です。
古今東西の美術作品を、アーティスト・井上涼さんの作った歌とアニメーションで楽しく紹介してくれます。(びじゅチューン!の公式サイトはこちら)
「ランチは地獄の門の奥に」はびじゅチューン!の作品のひとつです。
フランスの彫刻家オーギュスト・ロダン(1840~1917)のブロンズ彫刻「地獄の門」がモデルです。
「地獄の門」はフランス政府の依頼を受け、1880年から制作が始まりました。
詩人ダンテの叙事詩「神曲」がテーマです。
ロダンの生前には完成に至らず、1920年代にブロンズ鋳造されるようになり、現在は世界に7つの「地獄の門」があります。
わたしは、2018年の夏に「親と子のギャラリー トーハク×びじゅチューン! なりきり日本美術館」を東京国立博物館に観に行ったとき、上野駅までの道の途中で国立西洋美術館の前庭にある「地獄の門」を観ることができました。
作品の大きさと迫力に大興奮でした。(国立西洋美術館の所蔵作品検索はこちら)
「ランチは地獄の門の奥に」のお話の内容
巨大なブロンズの「地獄の門」の奥にはスーパーマーケット「地獄スーパー」があります。
正午に始まるタイムセールでは、限定ランチの争奪戦がくり広げられます。
びじゅチューン!「ランチは地獄の門の奥に」のランチ
「ランチは地獄の門の奥に」の終わりごろ、アニメーションに一瞬だけ地獄スーパーの限定ランチの中身が映ります。
アニメーションを一時停止して確認してみると、
- 血の色チキンライス
- ミノタウロスの肉巻きアスパラ
- ハルピュイアイの森のごぼう
- 火の雪ミニトマト
- 叫びナルト
というメニューです。
この限定ランチ、アスパラガスがスーパーに出回るようになったら実際に作ってみたいなと思っていました。
学校が春休みで時間を持て余している娘を巻き込んで、作ってみました。
リアル「地獄スーパー限定ランチ」
チキンライスは、市販のパスタソースと細かく切った鶏もも肉を炊き込み、缶詰のコーンと塩ゆでにして刻んだアスパラガスを混ぜました。
「地獄」の文字は娘から海苔で作ってもらいました。
このお弁当は全部で4つ作りましたが、「地獄」の文字を4つ分作るのは大変だったので、3つは「ジゴク」になりました。
肉巻きアスパラの肉は、「ミノタウロス」が牛頭人体の怪物なので、牛肉にしました。
ふだん牛肉を買うことがないので、お買い得品とはいえ立派な値段にびっくりしました。
ごぼうは、「ハルピュイアイ」が女面鳥身の怪物たちなので、鶏もも肉や他の野菜と一緒にめんつゆで煮ました。
ごぼうには海苔で顔をつけました。
ミニトマトは、なるべく赤いものを選びました。
叫びナルトは、笹かまぼこをキッチンばさみとストローで切って作りました。
容器は、100円ショップで買った使い捨てのランチボックスに、娘に描いてもらったロゴを貼りました。
赤字覚悟の半額セール
びじゅチューン!「ランチは地獄の門の奥に」では、タイトルコールの前に、ランチにかけるお金は1日400円を守らなければならない、と言っています。
地獄スーパーの限定ランチは12時からのタイムセールで半額になっており、値段は最高400円だと考えられます。
つまり、タイムセール前は800円です。
今回作ったリアル地獄スーパー限定ランチの、主な材料費は以下の通りです。
光熱水費や人件費もかかるでしょうから、タイムセールに400円で売ると、地獄スーパーは赤字になってしまいます。
「半額地獄」は、地獄スーパーの嘆きのあらわれかもしれません…。
【おまけ】「ランチは地獄の門の奥に」とびじゅチューン!の他の作品
「ヘルスチェックインザヘル」の地獄病院は、「ランチは地獄の門の奥に」の地獄スーパーと同系列だそうです。
「指揮者が手」のモデルとなった「手」の作者・高村光太郎は、ロダンから大きな影響を受けたそうです。
(「びじゅチューン!『指揮者が手』と高村光太郎『智恵子抄』」の記事はこちら)
「写楽式洗顔」にロダンモチーフの腕時計が登場します。
びじゅチューン!「ランチは地獄の門の奥に」は「びじゅチューン!DVD BOOK2」(小学館)に収録されています。