びじゅチューン!「その天女、柄マニアにつき」とは
びじゅチューン!は、NHK Eテレで放送されている5分間番組です。
古今東西の美術作品を、アーティスト・井上涼さんの作った歌とアニメーションで楽しく紹介してくれます。(びじゅチューン!の公式ホームページはこちら)
「その天女、柄マニアにつき」は、びじゅチューン!の作品のひとつです。
奈良の薬師寺にある、国宝・吉祥天画像がモデルです。(奈良の薬師寺の公式ホームページはこちら)
わたしの周りには、井上さんが歌う「うぅ~」の部分がお気に入りという方も多いです。
「ムンクの叫びラーメン」の出前のチラシや、「住んでます八橋蒔絵硯箱」のわが街新聞が掲示板に貼ってある、などの見どころも多い作品ですが、
「『いい人なんだけどちょっと困ったあの人』への対処法」も学べます。
「その天女、柄マニアにつき」のお話の内容
柄物が大好きな吉祥天女さんは、とってもいい人です。
でも、頼まれもしないのに、仏さまをはじめとする薬師寺メンバーに柄物をどんどんプレゼントします。
薬師寺メンバー達は本当は無地が好きなのに、 吉祥天女さんの気迫に押されて断れません。
薬師寺メンバーの会議の定番の議題は、「だれかれかまわず柄物をプレゼントしてくる吉祥天女さんをどう制するか?」 です。
薬師寺メンバーが話し合った、「困ったあの人」への対処法
話し合いで提案されたけど、採用されなかった案
びじゅチューン!「その天女、柄マニアにつき」のアニメーションに出てくる、会議のホワイトボードを読み取ってみます。
- 話を聞いてあげる
- おかしを与える
- 出張で頭を冷やしてもらう
- プレゼント系
- 怖い人に怒ってもらう → 東大寺の大仏さま? モナ・リザさん?
- 絵本を読み聞かせる
- 大勢で説得する
- 歌ってごまかす
- 犬を飼う
- 専用の塔をあげる
という案があがっていますが、どれも対処法として採用に至らなかったか、うまくいかなかったようです。
薬師寺メンバーは、結局、開き直りました
「いっそのこと、開き直る方が楽?」とのことで、 月に一度、毎月20日は「柄物デー」にして、 その日は全員で必ず柄物を着ることに決めました。
吉祥天女さんが夢見た「薬師寺 まるごと柄パレード!」も実現しました。
柄パレード中の仏さまたちの表情もなんだか楽しそうです。
腹をくくって受け入れると、思っていたよりも困らないし、嫌じゃないのかもしれません
「困ったあの人」を変えようとしないで、自分の考えを変えてみる
はじめに薬師寺メンバーが話し合っていた対処法は、全て、吉祥天女さんの行動を変えようとする内容です。
困ったあの人を変えようとがんばっても、うまくいくことはほぼありません。
薬師寺メンバーは、吉祥天女さんの柄好きに歩みより、開き直って月に一度は柄物デーにすることにしました。
変えられるのは、困ったあの人ではなくて、自分の考え方や行動だけなんですね。
結果、薬師寺メンバーも柄パレードを楽しめました。
「いやだなあ」と、ひたすらがまんするのでなく、かといって、困ったあの人を変えようとするのでもなく、自分から腹をくくってみる。
意外と困らないし、新しい世界が見られるかもしれません。
みんなが誰かの「困ったあの人」
わたしも、あなたも、誰かにとっての「困ったあの人」です。
わたしが「困ったあの人」で、まわりの人に対処法を考えられているのだとしたら…
わたしもけっこうな頑固者ではありますが、いったん理解を示してもらえたら、まわりの人達の意見に素直になれることが多いと思います。
びじゅチューン!は、道徳の授業の教材にも良いのでは?
道徳って、学校の教室で教わるような内容ではないと個人的には思っています。
でも、どうせなら楽しくてためになる時間になればいいです。
娘が小学生なので、自分が学校に通っていたころのこともよく思い出します。
びじゅチューン!作品を教材にしたら、楽しくてためになる道徳の授業になるのではないでしょうか?
「その天女、柄マニアにつき」は、道徳の授業にも、歴史の授業にもおすすめです。
びじゅチューン!作品には、時空や種別を超えたキャラクター達が、楽しく共存した世界が描かれています。
「自由な発想」の良い具体例でもあると思います。