先日、自分用に作った腹巻帽子は、棒針編みの基本である「表目」と「裏目」だけで編みました。
(過去記事→「腹巻帽子をベビー・キッズ用毛糸『やわらかラム』一色で編んでみました」)
特別なテクニックを使わなくても、表目と裏目を組み合わせるだけでいろいろな模様を編めます。
腹巻帽子は輪編みで編みましたが、輪編みは常に編み地の表面だけを見て編んでいけるのが助かります。
腹巻帽子でわたしが編んだ8種類の模様をご紹介します。
表目と裏目だけの地模様
おなじみのメリヤス編み
ひたすら表目だけが並ぶメリヤス編みは、よく見かける編み地です。
端が裏目の方向に丸まります。
腹巻帽子ではひたすら裏目だけがならぶ裏メリヤス編みが表面になるように配置しましたが、裏面は表目が並ぶメリヤス編みです。
輪編みであれば、編み図通りに表目(もしくは裏目)だけを編みます。
往復編みのときは、裏を見て編む段(編み図の左から右に向かって編む段)で、編み図で表目になっているところは実際には裏目を、編み図で裏目になっているところは実際には表目を編みます。
往復編みでメリヤス編みをするときの裏面を見て編む段は、メリヤス編みなら裏目を、裏メリヤス編みなら表目を編みます。
表も裏も同じ模様になる地模様
ガーター編み
一段ごとに表目と裏目が交互に並びます。
メリヤス編みに比べるとぽってりとした厚みがあります。
編地が丸まることもありません。
輪編みのときは表目と裏目を一段ごとに交互に編みますが、往復編みの場合はひたすら表目だけを編むとできあがります。
往復編みで裏目だけをひたすら編んでもやはりガーター編みになりますが、編みあがりが早いのは表目です。
かのこ編み
表目と裏目が交互に並ぶかのこ編みは、ぽこぽこの粒が現れます。
編地が丸まることもなく、ぽこぽこした地模様がかわいらしいので、わたしはかのこ編みが好きです。
腹巻帽子では1目1段のかのこ編みにしましたが、2目2段のかのこ編みもあります。
ゴム編み
表目と裏目がストライブのように並びます。
伸縮性が出るので、ニット帽のかぶり口、セーターのすそ・衿ぐり・袖口などに使われます。
腹巻帽子では、1目ずつ表目と裏目をくり返す、1目ゴム編みにしました。
2目ゴム編み、3目ゴム編みなどもあります。
スパイラル模様
なわ編みをしていないのに、なわ編みのような編み地になります。
ゴム編みを規則的にずらしていくだけで、伸縮性のあるスパイラル模様が現れます。
腹巻帽子では、3目ゴム編みを5段ごとにずらして編みました。
表目と裏目だけで描く模様
ダイヤ
ダイヤ形のモチーフを縦に三つ並べました。
腹巻帽子ではダイヤの部分をかのこ編みにするタイプと、裏目を連ねるタイプを両方編みました。
木
アラン模様でよく見かける「生命の木」をイメージしました。
逆さにすると、木の葉のようにも見えます。
幹にあたる木の中心は表目のねじり目です。
枝は裏目だけですが、幹も全て裏目にすると両脇の表目に埋もれてしまうので、ここだけは表目のねじり目にしました。
雪
雪の結晶をイメージした模様を裏目で編みました。
模様の浮き上がり方がちょっと弱かったなと思います。
組み合わせ次第で無限のアレンジ
表目と裏目という、ごく基本の編み方だけでも、間隔や目数の組み合わせ方でさまざまな編み地になります。
ニット作家のベルンド・ケストラーさんの著書には、表目と裏目の奥深さと可能性が紹介されています。
同じ毛糸と同じ針で表目と裏目だけしか編んでいないのに、伸縮性も肌触りも全く異なる編みあがりになるのはとてもおもしろいです。
組み合わせは無限ですので、好みの編み地を求めて、いろいろ試してみようと思います。