「もんきりあそび」とは
「もんきりあそび」=「紋切り遊び」は、紙をおりたたみ、型紙通りに切り抜いて「紋」を作ることです。
江戸時代の寺子屋の教科書にも載っていたそうです。
わたしは、本屋さんでたまたま造形作家・下中菜穂さんの著書に出会い、初めて「もんきりあそび」のことを知りました。
ネットで調べ、下中菜穂さんの「豆紋」「豆紋2」(出版元:エクスプランテ)を買い、夢中になりました。
「もんきりあそび」の基本的な作り方:わたしの場合
折りたたんだ紙を型紙にそって切っていきます。
わたしは、折りたたんだ紙をいったん開いて型紙の上にのせ、鉛筆で切り抜き線を写しています。
はさみやカッターで切り抜いた後、鉛筆の線を消しゴムで消します。
型紙のコピーは、実物大のA3サイズと、A4サイズに縮小コピーしたものの2種類を準備しています。
A4サイズに縮小コピーした型紙で作ると、できあがった紋を使う場面が広がります。
「もんきりあそび」のおすすめポイント3つ
気軽に楽しめる
主に必要なものは、紙、はさみ、カッターとカッターマットで、特別なものはいりません。
紙は、「もんきりあそび」シリーズに付いている和紙が一番切りやすく破けにくいですが、折り紙やコピー用紙でも作れます。
はさみもカッターも、ふだん使いのもので十分です。
伝統紋様や形にこめられた思いに気づける
老舗店のロゴや和服、和を意識した商品パッケージのデザインなど、実はふだんの生活で伝統紋様を目にすることは多いです。
下中菜穂さんの著書では、紋のひとつひとつの名前やいわれがわかりやすく紹介されているので、「もんきりあそび」を通じて、さまざまな形に意識が向くようになります。
「松が使われるのは、生命力や重厚感にあやかるためかな。」
「末広がりのおめでたさを表すための扇の模様なのかな」
など、形に込められた思いや作り手のメッセージを想像してみるのも楽しいです。
工夫次第で楽しみ方が広がる
基本は、和紙を切り抜きますが、紙の材質・色・大きさで使い道が広がります。
和紙は薄くて丈夫です。
できあがった紋を、そのまま本のしおりとして使ってくれている娘のお友だちもいます。
メッセージカードやうちわなど、作った紋を貼るだけでちょっと目を引くものになります。
作った紋を型紙にして消しゴムはんこやフェルトのアップリケの図案にすることもできます。
実際に作って使った「もんきりあそび」
のし袋
姪と甥の入学祝を渡すためののし袋を作った紋で飾ってみました。
正式なのし袋にはならないですが、ごく身近で親しい間柄ならありかなと思います。
手紙の彩りに
友人への誕生日プレゼントに添えた手紙と箸袋におそろいの紋をつけました。
色を選べば、ひとつの紋だけでも華やかになります。
夫への手紙の台紙に紋を散らしてみました。
紙が重なるので、補強にもなります。
しおり
作った紋をカバーテープでつなげました。
紙コップのしるし
娘のお友だちが何人か遊びに来てくれるのに備え、紙コップに紋を貼りました。
どれが誰のコップか、区別がつきやすかったそうです。
せっかくなら紋の名前にも興味を持ってもらえたらいいなと思い、紋のそばにそれぞれの紋の名前を書き込んでおいたのですが、特に誰も興味を示さなかったようです・・・。
消しゴムはんこの図案
「もんきりあそび」で作った紋を参考にして、松、竹、梅、扇、瓢の消しゴムはんこを作りました。
アップリケの図案
NHK Eテレ「びじゅチューン!」が好きで作ってしまったフェルトのバッジケースの、表面のアップリケの図案にしました。
光琳模様と呼ばれる紋を作り、それを型紙にしてフェルトを切り抜き、アップリケしました。
気軽に伝統模様に触れられます
「もんきりあそび」は、伝統模様を通じて気軽に「和」の世界に触れられます。
工夫次第でいろいろな楽しみ方や使い方ができるのも、「もんきりあそび」の魅力です。