地球から見た1年の太陽の動きを24等分し、季節を表す二十四節気(にじゅうしせっき)。
二十四節気の各節気をさらに5日くらいずつに分けたのが七十二候(しちじゅうにこう)です。
10月23日~11月6日頃は二十四節気の「霜降(そうこう)」です。
寒さで露(つゆ)が霜(しも)に変わる頃とされ、秋の終わりの節気です。
七十二候のうち、霜降の時期に当たる三候をイメージした消しゴムはんこを作ってみました。
二十四節気・霜降の時期の三候をイメージした消しゴムはんこ
二十四節気の霜降は、七十二候で
・「霜始降(しもはじめてふる)」
・「霎時施(こさめときどきふる)」
・「楓蔦黄(もみじつたきばむ)」
の三候に分けられています。
霜始降(しもはじめてふる)
10月23日~10月27日頃は「霜始降(しもはじめてふる)」です。
霜が降りはじめるという意味です。
秋の二十四節気は「白露」、「寒露」と露(つゆ)がよく登場します。
露と霜には、
露(つゆ):大気中の水蒸気が冷えて植物などの表面で水滴になる
霜(しも):大気中の水蒸気が冷えて植物などの表面で氷になる
という違いがあります。
霜が降りはじめるのは、水滴が氷に変わるほど寒くなってきているということなのですね。
霜の結晶にも雪の結晶と同じようにさまざまな形がありますが、物の表面にできるため、左右対称の完全な形になるのは稀なのだとか。
結晶の基本の形のひとつが六角形なので、消しゴムはんこでは家紋の「六角亀甲形」のシルエットを霜の結晶に見立てました。
完全な形に結晶するのは稀ということなので、スタンプインクの一部を敢えてかすれさせて押しました。
霎時施(こさめときどきふる)
10月28日~11月1日頃は「霎時施(こさめときどきふる)」です。
小雨がしとしと降るという意味です。
この時期の雨は、沁み入るような寒さがありますね。
気象庁の予報用語の「小雨」は、数時間続いても雨量が1㎜に達しないくらいの雨のことを指すのだそうです。
そんな小雨なら傘を開かずやりすごすこともあるかなと思い、消しゴムはんこでは家紋の傘モチーフから閉じた状態の傘を彫りました。
楓蔦黄(もみじつたきばむ)
11月2日~11月6日頃は「楓蔦黄(もみじつたきばむ)」です。
カエデ(モミジ)やツタが黄葉するという意味です。
カエデもモミジもムクロジ科カエデ属の植物で明確な分類はありませんが、園芸の世界では
モミジ:葉の切れ込みが深い
カエデ:葉の切れ込みが浅い
という区別をするそうです。
また、秋の終わりに木々の葉が赤や黄になることを一般的に紅葉(こうよう)と言いますが、
紅葉(こうよう):葉が赤色になること
黄葉(こうよう/おうよう):葉が黄色になること
褐葉(かつよう):葉が褐色になること
とさらに細かく分けて表す場合があります。
カエデ(モミジ)には赤の紅葉のイメージが強いのですが、美しく黄葉する種類もあるそうです。
消しゴムはんこでは、家紋の楓モチーフと蔦モチーフから、形のかわいらしいものをピックアップして彫ってみました。
黄葉もきれいですが紅葉も美しいので、黄系と赤系のスタンプインクを使って押しました。
参考サイト・書籍
国立天文台 天文情報センター 暦計算室
Wikipedia「七十二候」
雪の結晶観察ノート「霜とダイヤモンドダスト」
気象庁 天気予報等で用いる用語「降水」
日本気象協会/ALiNKインターネット tenki.jp 「楓=カエデなのに『黄』葉とはこれいかに?七十二候『楓蔦黄(もみじつたきばむ)』」
霜降の箸袋:作った消しゴムはんこと懐紙・キッチンペーパーで
作った消しゴムはんこを、夫のお弁当用の箸を包む箸袋の飾りに使いました。
・懐紙を半分に切り、三つ折りにした箸袋
・キッチンペーパーを半分に切り、四つ折りにした箸袋
にそれぞれ消しゴムはんこを押します。
写真に撮ると、薄い色合いのスタンプインクを使った「霜始降」が写りにくいですね。
「楓蔦黄」の箸袋が、秋の終わりを彩ってくれているようです。