地球から見た1年の太陽の動きを24等分し、季節を表す二十四節気(にじゅうしせっき)。
二十四節気の各節気をさらに5日くらいずつに分けたのが七十二候(しちじゅうにこう)です。
9月7日~9月21日頃は二十四節気の「白露(はくろ)」です。
朝晩が冷え、白露(しらつゆ)が草に宿るようになる頃とされています。
少しずつ秋らしさを実感しはじめる時期でもありますね。
七十二候のうち、白露の時期に当たる三候をイメージした消しゴムはんこを作ってみました。
二十四節気・白露の時期の三候をイメージした消しゴムはんこ
二十四節気の処暑は、七十二候で
・「草露白(くさのつゆしろし)」
・「鶺鴒鳴(せきれいなく)」
・「玄鳥去(つばめさる)」
の三候に分けられています。
草露白(くさのつゆしろし)
9月7日~9月11日頃は「草露白(くさのつゆしろし)」です。
草に降りた露が白く光るという意味です。
気温が下がり、大気中に含まれる水蒸気が植物などの表面で水滴となる露。
消しゴムはんこでは、家紋の「芒(ススキ)に露」を簡略化して彫りました。
露が降りる草は、せっかくなら秋にちなんだものがいいなと思っていたところ、秋の七草のひとつであるススキに露が降りている家紋を見つけたからです。
秋の七草は、
・萩(ハギ)
・桔梗(キキョウ)
・葛(クズ)
・藤袴(フジバカマ)
・女郎花(オミナエシ)
・尾花(オバナ)=ススキ
・撫子(ナデシコ)
です。
このうち、萩、桔梗、葛、尾花、撫子が元になった家紋はあるのですが、露と共に描かれているのを見つけられたのは尾花だけでした。
細い線や露を表すごく小さな円を彫るのは緊張しましたが、何とか彫り切りました。
鶺鴒鳴(せきれいなく)
9月12日~9月16日頃は「鶺鴒鳴(せきれいなく)」です。
セキレイが鳴きはじめるという意味です。
セキレイは水辺に住む体長20㎝ほどの鳥で、尾を上下に振る姿が特徴的です。
日本では主にハクセキレイ、セグロセキレイ、キセキレイが見られます。
日本の固有種はセグロセキレイです。
日本書紀にも、イザナギノミコトとイザナミノミコトの国産みを導いた鳥として登場します。
背筋を伸ばした美しい姿のセキレイは、警戒心の薄さもあいまって昔から人々に親しまれてきたのでしょうね。
現在の日本で広く分布し、市街地でも見かけられるのはハクセキレイなので、消しゴムはんこはハクセキレイを彫りました。
ハクセキレイには、くちばしの付け根から目を横切って走る眼過線(がんかせん)と呼ばれる線がありますが、消しゴムはんこのハクセキレイではこの眼過線を断念しました。
難しかったのが最大の理由ですが、ハクセキレイの中には眼過線のない個体もいるし、ハクセキレイの亜種・ホオジロハクセキレイは眼過線がないと知ったからです。
眼過線のないセキレイの写真をネットでいくつか見ましたが、なんともかわいらしい顔です。
玄鳥去(つばめさる)
9月17日~9月21日頃は「玄鳥去(つばめさる)」です。
ツバメが南へ帰って行くという意味です。
二十四節気・清明の時期の七十二候の「玄鳥至(つばめきたる)」と対になっていますね。
ツバメは春から夏にかけて渡来して繁殖し、秋に暖かい南の越冬地へ渡っていく「夏鳥」です。
春に南方からやってくるときはオスとメスは別々にやってきますが、秋は集団で南方に帰っていくそうです。
消しゴムはんこは、家族や仲間と一緒に海を渡っていくツバメをイメージしました。
「浪に燕」という家紋のツバメと、伝統文様のひとつである青海波を組み合わせてみました。
参考サイト・書籍
国立天文台 天文情報センター 暦計算室
Wikipedia「七十二候」
All About 暮らし/暮らしの歳時記「白露とは…意味や読み方・2020年はいつ・過ごし方は?」
白露の箸袋:作った消しゴムはんこと懐紙・キッチンペーパーで
作った消しゴムはんこを、夫のお弁当用の箸を包む箸袋の飾りに使いました。
・懐紙を半分に切り、三つ折りにした箸袋
・キッチンペーパーを半分に切り、四つ折りにした箸袋
にそれぞれ消しゴムはんこを押します。
わたしが作るふだんのお弁当にはあまり季節感がありませんが、自然とかぼちゃやきのこを少し使いたくなってきます。
季節の変わり目ですね。