地球から見た1年の太陽の動きを24等分し、季節を表す二十四節気(にじゅうしせっき)。
二十四節気の各節気をさらに5日くらいずつに分けたのが七十二候(しちじゅうにこう)です。
6月5日~6月20日頃は二十四節気の「芒種(ぼうしゅ)」です。
芒種は、芒(のぎ)のある植物の種まきをする頃とされます。
芒は米や麦などのイネ科の植物の穂先にある、針のような突起です。
でも、米は、春の二十四節気・穀雨の「霜止出苗(しもやみてなえいずる)」で苗が育ちはじめています。
麦は、芒種の直前の二十四節気・小満の「麦秋至(むぎのとき/ばくしゅう いたる)」で収穫を迎えています。
道端でよく見かけるエノコログサ(=ネコジャラシ)もイネ科の植物ですが、芒種の頃には穂が実っています。
この時期に種まきをする芒のあるイネ科の植物は、粟(あわ)、黍(きび)、稗(ひえ)あたりでしょうか。
芒種は、芒のある植物の種まきの時期でもあり、芒のある植物の種(=実)が成熟する時期でもあるのですね。
七十二候のうち、芒種の時期に当たる三候をイメージした消しゴムはんこを作ってみました。
二十四節気・芒種の時期の三候をイメージした消しゴムはんこ
二十四節気の芒種は、七十二候で
・「蟷螂生(かまきり/とうろう しょうず)」
・「腐草為蛍(くされたる/かれたる くさほたるとなる)」
・「梅子黄(うめのみ きばむ/きなり)」
の三候に分けられています。
蟷螂生(かまきり/とうろう しょうず)
6月5日~6月10日頃は「蟷螂生(かまきり/とうろう しょうず)」です。
カマキリが生まれ出るという意味です。
卵の状態で冬を越えたカマキリは、暖かくなると孵化し、脱皮をくり返して成虫になります。
消しゴムはんこでは、まだ幼くて初々しさのあるカマキリをイメージしました。
「腐草為蛍(くされたる/かれたる くさほたるとなる)」
6月11日~6月15日頃は「腐草為蛍(くされたる/かれたる くさほたるとなる)」です。
腐った草が蒸れ、ホタルになるという意味です。
ホタルは、卵でも、幼虫でも、さなぎでも、光るのだそうです。
成虫のホタルは夜露をなめるだけで何も食べず、1~2週間で寿命を迎えます。
この時期にイメージされるのは成虫となって水辺を飛び交うホタルだろうと思い、消しゴムはんこでも成虫のホタルを彫ってみました。
梅子黄(うめのみ きばむ/きなり)
6月16日~6月20日頃は「梅子黄(うめのみ きばむ/きなり)」です。
梅の実が黄ばんで熟すという意味です。
梅雨(つゆ/ばいう)の時期でもありますが、「梅の熟す時期の雨」がその語源のひとつと言われています。
消しゴムはんこは、梅の実と、青々と茂った梅の葉を彫りました。
スタンプインクを変えて、青梅と完熟梅を表してみました。
スーパーでも梅が並びますので、何かしらの梅仕事をしたい気持ちに駆られます。
参考サイト・書籍
国立天文台 天文情報センター 暦計算室
Wikipedia「七十二候」
日本気象協会/ALiNKインターネット tenki.jp 「二十四節気『芒種(ぼうしゅ)』。イネ科植物の天下、そのはじまりの季節です」
芒種の箸袋:作った消しゴムはんこと懐紙で
作った消しゴムはんこを、夫のお弁当用の箸を包む箸袋の飾りに使いました。
懐紙を半分に切り、三つ折りにした箸袋に消しゴムはんこを押します。
今回は、カマキリとホタルの二種類の昆虫を彫りました。
これまであまり昆虫に関心がなかったのですが、七十二候を通じて少しずつ虫のことを調べてみるのもおもしろいものですね。