和裁教室に通っていると、おもしろい技をいろいろ教わります。
着物の裾(すそ)を縫うとき、浴衣などの単衣(ひとえ)の着物は角を「額縁(がくぶち)」にします。
何度教わってもなかなか覚えられずにいたので、わたしの復習と備忘録を兼ねてまとめました。
布だけでなく、折り紙で作るとまさに「額縁」になってくれますよ。
和裁の「額縁」の作り方
和裁の「額縁(がくぶち)」とは
浴衣、木綿やウールの着物などの裏地を付けない着物は、裾(すそ:下の部分)や褄下(つました:両端の部分、衿下(えりした)とも)を三つ折りにして布端を始末します。
そのとき、角にあたる褄先(つまさき)と呼ばれる部分は「額縁(がくぶち)」にします。
こちらの写真のように、45°の折り目が重なった直角になります。
タテとヨコをそれぞれ三つ折りにして重ねただけだともっさりと分厚くなってしまいますが、同じ三つ折りでも額縁にするとすっきりします。
額縁の折り方
額縁を作る方法はいくつかあるようですが、わたしが習ったのはこちらの方法です。
わかりやすいように、千代紙を使って写真を撮りました。
①タテとヨコに三つ折りのための折り線をつける
三つ折りにするための折り線をタテ・ヨコそれぞれにつけます。
布の場合は折ってからコテを当てて線をしっかりつけます。
そのとき、角の「田」の字になっているところは線が消えないよう短い線1本1本にコテを当てます。
②一ヵ所に切り込みを入れる
下から1本目の折り線を、外側から1本目まで切ります。
③タテを折ります
タテを三つ折りにします。
切れ込みは写真のようにぺろりとはみ出ます。
④角を三角に折り上げます
切れ込みが入ってはみ出た部分を中に入れるように、角を三角に折ります。
布の厚さを考え、できあがり線よりほんの少し控えめに折るように意識します。
⑤ヨコを折り上げます
ヨコを三つ折りに折り上げます。
このときも、一折り目はできあがり線よりほんの少し控えめに折ります。
二折り目が楽ですし、仕上がりがきれいです。
できあがり
ヨコの三つ折りができたら完成です。
縫うときは、タテの角とヨコの角の二か所は表にも裏にも針目を出してしっかり縫い留めます。
45°の斜めになっている部分は短いですが本ぐけで往復します。
額縁を折り紙に応用してカードを作りました
和裁で習った技ですが、折り紙にも応用してみました。
紙で額縁を4か所に作ると、まさに「額縁」になってくれます。
一般的な大きさである15㎝×15㎝の折り紙をベースに、メッセージカードを作りました。
できあがりサイズは11㎝×11㎝です。
メッセージカードのモチーフは折り紙作家・カミキィさんの「ばら」、「ことり」を折りました。
バラは花の色や本数に様々な意味があるのだそうです。
ピンク色のバラは「感謝」、「温かな心」、紫色のバラは「尊敬」という花言葉があります。
また、8本のバラは「思いやりに感謝しています」という意味があるのだとか。
今回は感謝の気持ちをそっと伝えたいと思って作ったので、ピンク色と紫色のバラを8つあしらいました。
折り紙で作ったモチーフを画用紙に貼りましたが、それだけでは少しさびしい印象です。
こんなとき、額縁が役に立ってくれます。
額縁は15㎝×15㎝の折り紙を使って作りました。
幅1㎝の縁になるように、四方を2㎝ずつとって折り目をつけ、メッセージカードを包むように額縁を折り、両面テープで貼ります。
額縁のおかげで縁が補強され、しっかりしたカードに仕上がりました。