味噌汁を着慣れたふだん着だとすると、すまし汁はちょっと改まった服のようだなと思います。
実家で食べさせてもらっていた汁物のうち、幼い頃から大好きだったのが、母の作る「にぎやか汁」です。
具が多めで、簡単なのに彩りのよいすまし汁です。
結婚してからはもっぱら自分で作りますが、予想以上に娘が好みます。
母の「にぎやか汁」
材料・用具(約3人分)
だし 2カップ(400ml)
干ししいたけ 適量
水で戻してスライスします。
今回は、スライスされた干ししいたけが売られていたので、水で戻すだけです。
干ししいたけの戻し汁 1カップ(200ml)
にんじん 小1/2本
細目の拍子木切りにしておきます。
ほうれん草 1/2~1/3わ
塩ゆでして食べやすい大きさに切ります。
かまぼこ(できれば外側がピンク色のもの) 小1本
薄切りにします。
淡口醤油(うすくちしょうゆ) 大さじ2~2弱
片栗粉 小さじ1弱
適量の水であらかじめ溶いておきます。
たまご 1個
注ぎ口のある容器で溶きほぐしておきます。
鍋、菜箸、計量カップなど注ぎ口のある容器
だしのこと
だしですが、実家ではインスタントの顆粒だしを溶くかだしパックを煮出して使っていました。
わたしはここ数年来、茅乃舎さんのだしを使っています。
ふだんのだしは、茅乃舎さんのパッケージに表記されているよりも多めの水で煮出しますが、すまし汁のときは表記通りの分量(わたしにとっては贅沢な使い方)で煮出します。
茅乃舎さんのだしは、煮出しても、だしパックを破いて中身をそのまま使ってもおいしく、味が決まりやすいので便利ですよ。
作り方
①しいたけ、にんじん、かまぼこに火を通して味付けする
だしと干ししいたけの戻し汁を合わせ、しいたけ、にんじん、かまぼこを加えて火に掛けます。
煮立ったら火を弱め、にんじんに火を通します。
淡口醤油で味付けします。
②たまごをかきたまにする
全体がふつふつと煮立ったところに水溶き片栗粉を加え、ごくゆるいとろみをつけます。
もう一度全体が煮立ったら、全体を箸でかき混ぜながら注ぎ口のある容器から溶きたまごを細く流します。
③お椀によそう
たまごがふわっとしたら火を止めます。
あらかじめほうれん草を入れておいたお椀に汁をよそったらできあがりです。
ほうれん草は最後に加えて軽く火を通してもいいです。
わが家の場合、
・一緒に煮てしまうと後で食べる人(主に夫)の分のほうれん草の緑色が損なわれてしまう
・猫舌(夫と娘)対策
のふたつの理由で、ほうれん草はあらかじめお椀に入れておきます。
ちょっと特別だった「にぎやか汁」
母の手料理の頻度はそれほど多くはありませんでした
生まれてから高校を卒業するくらいまで、実家では主に祖母が家族7人分のふだんの食事を作ってくれていました。
両親はフルタイムの共働きで、父が料理をすることはなく、母はわたし達兄妹のお弁当と週末の晩ごはんを担当していました。
頻度としては祖母の料理を食べることが圧倒的に多かったはずなのに、実家を出てから折りに触れ作るのは母の作ってくれた料理が多いです。
母は比較的食べ物の好き嫌いが多く、わたしもその嗜好を引き継いでしまっているせいかもしれません。
子どもの頃は今以上に偏食傾向の強かったわたしでも、にぎやか汁は好きな具材ばかりで、しかもちょっと特別感があり、大好きでした。
「にぎやか汁」は他のメニューの味とのバランスを取るのに重宝します
ホイコーローなどの味噌がメイン調味料のおかずを作ったときや、大好きな焼かない味噌おにぎりを作ったときにすまし汁は重宝します。
味噌汁を合わせることもありますが、醤油味の汁物だとあっさりして全体が食べやすいです。
具の多い「にぎやか汁」があれば、あとはおいしい白ごはんやおにぎりで、わたしと娘にとっては充分なごちそうです。