嫌なことを言われたら言い返していい!中学生の娘の行動をちょっとたくましくしてくれた本2冊

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冗談半分でも嫌なことを言われたら、笑って受け流さず言葉や態度に表して自分を守ることが大事です。

わが家の娘も同級生から冗談半分で嫌なことをよく言われてきましたが、「嫌なら嫌と言っていい!むしろ言うべき!」ということと、そのための具体的な方法を教えてくれる本に出会えました。

実生活でできることから試しているようで、娘が家で愚痴ったり悔しがったりする回数が激減しています。

わたしにとっても日常のコミュニケーションで困ったときに思い出したい考え方や試したい技が満載でためになりますし、薄々感じてきたことを言葉にしてもらえた爽快感がありました。
 

自分の気持ちを大事にすることの大切さと方法を教えてくれる本2冊

嫌だし悔しいけどからかわれっぱなしの娘

わが家の娘は、小学生の頃からごく一部の同級生に「ぶりっ子」と言われたり、小馬鹿にするようなことを言われたりしてきました。

小学生の間は親子で一緒に対処法を考えては実行してしのいできましたが、中学生になっても同じようなことが起こります。

娘はおっちょこちょいで友好的な雰囲気全開なので、相手も「この子にならちょっと言ってもいいだろう」と勘違いしやすいのでしょう。

・嫌いな人・苦手な人とは距離を置けばいい 
・自分が嫌っている相手が自分を嫌ってくるのはお互いさまで、無理に好かれる必要などない 
・自分から嫌いな相手に先制攻撃しない 
・「ぼっち」は最強で恥ずかしがることなど何もなく、むしろ「ぼっち」を避けたいがための友達ごっこの方がイタい

と事あるごとに娘と話し合ってきました。

でも、中学生になってからのトラブルは小学生の時よりも娘のダメージが大きい様子で、どうしたものかと思っていたときに出会ったのがこちらの2冊です。
 

 

中野信子著「『嫌いっ!』」の運用」(小学館新書)

脳科学者・中野信子先生の著書で、本屋さんをぶらぶらしていて偶然目にしたのがこちらです。
 

 
わたしにとっての中野信子先生は、NHK BSプレミアム「英雄たちの選択」で歴史上の人物たちの思考パターンや行動について脳科学の知見を踏まえて的確に解説してくださる素敵な方です。

中野先生の解説のおかげで、距離を感じる歴史上の人物たちについて、

「あぁ、そういう人って今もいるかも!」
「偉人といえども人間くさいなぁ...」

と興味を持てるようになりました。


「『嫌いっ!』の運用」は「キレる!」(小学館新書)と共に買いました。

どちらもテレビで拝見する中野先生の冷静かつ温かな語り口とリンクする、読みやすい文章です。

「嫌いっ!」という感情は人間が生き残るために欠かせないものであり、その感情に無理に蓋をせず上手に付き合う術を身に付ければより豊かな人生にしていけると教えてくださいます。


「嫌い」という感情自体は「好き」と同じように、自然に発するものでコントロールは難しいです。

それなのに、特に「嫌い」という感情が沸き起こると、

「こんなことを嫌うなんて、わたしがおかしいのかも…」

とネガティブな考えに捉われてしまうこともしばしばです。

でも、「嫌い」も「好き」も、それ自体に善悪はありません。

自分で自分を守るための脳の機能ですので、「嫌い」の感情も「好き」の感情と同じように大事です。

時には感情の波に飲み込まれたとしても、「嫌い!」、「不快!」と感じていることに自分で気付いて自分で認めるのが感情を大事にする第一歩。

そして、どうしてそう感じるのかちょっと思いを巡らせてみると面白いですね。


娘は好き嫌いの感情を押し込めてはこなかったようですが、「『嫌いっ!』の運用」のおかげで「それでいいんだ!」と思えたようです。
 

 

ゆうきゆう著「マンガ版 ちょっとだけ・こっそり・素早く「言い返す」技術」(三笠書房)

嫌な相手・苦手な相手との会話で具体的な行動のヒントを得られたのが、精神科医・ゆうきゆう先生の「マンガ版 ちょっとだけ・こっそり・素早く『言い返す』技術」(三笠書房)です。
 


漫画家・Jamさんのほのぼのとかわいらしいネコちゃん達が登場しますし、文字も大きく余白も広いので、娘もすんなり読破していました。

嫌なことを言ってくる相手はどういう心理状態なのか、どんな態度や切り返しが有効なのか、わかりやすく解説されています。

嫌なことを言われても反撃せず「いい人」でいようとすると、ストレスも積み重なる上、周りからも「嫌なことを言われ続ける理由のある人」と思われるようになるのだそうです。

嫌なことを言ってくる相手がクラスメイトや仕事の関係者である場合は、相手を避け続けるのは難しいです。

でも、相手をこてんぱんに負かさなくても、自分の心を守りながら必要なコミュニケーションが取れれば自分が困ることはありません。

・相手の言葉を要約して投げ返す
・相手に質問して積極的に聞く

といったコミュニケーションを意識的・戦略的に行うのが「言い返す」技術の基本です。

基本技だけでなく相手とがっぷり四つに組まずに横からさりげなく水を差す技も紹介されており、それを知るだけでも気持ちが楽になります。


娘は、協力が必要な場面でネガティブな発言をしたり投げやりな態度を示したりするある同級生を苦手に感じ、自分なりに距離を取って接してきました。

でも、その同級生はなぜか娘に張り合ったり挑発したりしてくるのです。

これまで娘が取ってきた対処法は完全スルーか、苦笑いでやり過ごす、のどちらかでした。

この本を読んだ後に同じような場面に出くわした時、迷わず、

「え、なんで?」
「(にっこりしながら)教えな~い」

と返してみたそうです。

相手は「え~…」と言ったきり引き下がって行ったし、その後に絡んでくる回数が減ってきたとのことで、娘も少し自信を取り戻した様子です。

 

 

自分を大切にできるのは自分だけ

冗談半分で嫌なことを言われても、その場は無視か笑って受け流す対処法をとってきた娘。

後から家で悔しがったり泣いたりしていました。

娘とは「自分から相手を攻撃したり悪口を言ったりしない!」と確認し合ってきました。

でも、娘の中では「嫌なことを言われたりされたりしても自分からは何もしちゃいけない!」という認識になってしまっていたようです。

ただただ我慢して耐えていても状況が良くなることはないし、嫌だと思う自分の感情に蓋をすれば好きという感情にも蓋をすることになってしまいます。

自分を大切にできなければ周りのことも大切にできません。

自分を大切にするため、嫌なことを言われたときに嫌だと思う自分の感情を大切にして言葉にするスキルは、生きていく上でとても重要だと再確認しました。
 

 

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