ものを包むのに使える折り紙があります。
例えば、ゆずの香りの文香(ふみこう)を作ったとき に知った「たとう折り」。
四角形だけでなく、六角形、八角形など形もさまざまです。
簡単に作れるポチ袋として紹介されることも多く、お年玉やお小遣いを渡すときの包みとしての用途が真っ先に思い浮かびます。
たとう折りを中心に、手に入りやすい15㎝角の一般的なサイズの折り紙で、ものを包めるタイプの折り紙をいろいろ作ってみました。
紙幣や硬貨を包むのに最適なのは、どれでしょう…?
普通サイズの折り紙でお金を包むには?
折り紙は15㎝角が多く出回っています。
15㎝角サイズの折り紙で作ったいろいろな形の入れ物で、実際にお金を包んで比べてみました。
紙幣は、一万円札 > 五千円札 > 千円札 と大きさが微妙に異なります。
3種類の紙幣を1枚ずつと千円札3枚をそれぞれ三つ折りにし、作ったポチ袋で包めるか試しました。
硬貨は、手渡すことが多いであろう五百円玉と百円玉、3枚の百円玉で試しました。
その結果、15㎝角の折り紙で紙幣を包むときに使い勝手が良いのは下の写真の4つでした。
写真の上段に写っている、
・紅包みアレンジの包み
・封筒
は、しっかり包めて安心感があるので特におすすめです。
15㎝角の折り紙で硬貨を包むなら、下の写真の6つが良いです。
硬貨はポチ袋の中でもあちこちに動きやすいので、しっかり包まないとちょっとした振動で外に飛び出してきてしまいます。
写真の中で線で囲った、
・糸入れ
・小銭入れ
・六角形の手紙折り(コースター)
・ねじるようにたたむ五角形のたとう
は、特にしっかり包めて安心です。
ここからは、今回折ったポチ袋たちをできあがりの形でグループ分けしてご紹介します。
長方形
左から、
①基本のたとう折り
➁紅包みの工程を簡単にした包み
③折り紙で作る封筒
( → 折り紙JAPANさんの「便利でかわいい!《封筒・ポチ袋》の折り方-長方形型|折り紙/A4用紙」 )
です。
①・➁は長田なおさんの著書「懐紙で包む、まごころを贈る」(淡交社)を見ながら折りました。
ネットでも、株式会社ロコガイドさんのサイト「トクバイ」に掲載されている トクバイニュース「折り紙で簡単にできる!手作りポチ袋」 で似たようなシンプルな折り方が紹介されています。
裏面で、下の折り紙のすき間に上の折り紙を差し込み、封の代わりにしています。
三つ折りの紙幣が包めたのは、➁・③です。
➁は一万円札でもぎりぎり包めました。
③は余裕で包めますし、最後に差し込む面が大きいのでしっかり口が閉じられます。
硬貨を包むには①・➁が安定しています。
③は百円玉が飛び出てくることがありますので、入れ口にシールを貼る方が安心です。
正方形
できあがりが正方形のたとう折りです。
基本の形が一緒でひだの折り方のバリエーションが異なるものは、同色の折り紙で折って下に並べました。
左から、
①対角線に沿って折り重ねる( → かんたん折り紙教室さんの「たとう・ポチ袋(たとう・ぽちぶくろ)の簡単な作り方 その2」 )
➁中心に角を合わせる( → おりがみの時間さんの「たとう」 )
③タテ・ヨコに三つ折りする( → かんたん折り紙教室さんの「折り紙 風車のたとう・ポチ袋(かざぐるまのたとう・ぽちぶくろ)の簡単な作り方」 )
④糸入れ( → おりがみの時間さんの「いといれ(たとう)」 )
⑤小銭入れ( → おりがみの時間さんの「こぜにいれ」 )
です。
紙幣が包めたのは①・➁です。
いずれも入れ口がある程度の大きさで交互に重なっており、問題なく包めます。
でも、千円札3枚だと厚みが出て口が閉じ切らないので、シールで封をした方が安心です。
硬貨は①・➁だと簡単に飛び出てきます。
③・④・⑤なら紙の重なりが多く、しっかり包めます。
特に④は三百円でも安定感抜群の包み心地でした。
八角形
できあがりが八角形になる八角たとうは、「八」の持つ末広がりの円満なイメージもありますし、ひだの折り方で花のような模様をつけられます。
こちらも、基本の形が一緒でひだの折り方のバリエーションが異なるものは同色の折り紙で折って下に並べました。
左から、
①辺の中央を中心に合わせる八角たとう
( → おりがみの時間さんの「はっかくたとう」 )
➁角を中心に合わせる八角たとう
( → ASOPPA!さんの「八角たたみ紙(伝承)B-折り紙」 )
③折り紙を切らずに作る➁の応用の八角たとう
( → ASOPPA!さんの「八角たたみ紙(伝承)A-折り紙」 )
です。
サイズ的に、三つ折りの紙幣を包めるものはありませんでした。
硬貨を包むにもサイズが大きすぎるため全てで飛び出してきてしまうのですが、③ならシールで封をすれば何とか使えそうです。
紙幣を包むにはもう少し大きい紙で、硬貨を包むには7.5㎝角などの小さな紙で作れば、シールとの併用で活用できそうです。
六角形
できあがりが六角形になるたとうは、安定感のある美しい形です。
こちらも、基本の形が一緒でひだの折り方のバリエーションが異なるものは同色の折り紙で折って下に並べました。
左から、
①辺の中央を中心に合わせる六角たとう
( → おりがみの時間さんの「ろっかくたとう」 )
➁角を中心に合わせる六角たとう
( → ASOPPA!さんの「菊の花B-折り紙」 の作り方6まで)
③六角形の手紙折り(コースター)
( → シゲキタイムズさんの「折り紙コースタ【六角形】の手作りは保育園でも簡単に作れます!」 )
です。
サイズ的に、三つ折りの紙幣を包めるものはありませんでした。
硬貨は①・➁だと簡単に飛び出してきてしまうのですが、③ならば紙の重なりが多くしっかり包め、シールでの封も不要です。
使う紙の大きさを変えても、➁は紙の重なりが少なめなのでお金を包むにはあまり向かないかもしれません。
①は紙幣を包むにはもう少し大きい紙で、硬貨を包むには7.5㎝角などの小さな紙で作れば、シールとの併用で活用できそうです。
五角形
できあがりが五角形になるたとうは、五角形の切り出しが今までの形の中では一番気を遣います。
そのぶん、花や星のようできれいです。
こちらも、基本の形が一緒でひだの折り方のバリエーションが異なるものは同色の折り紙で折って下に並べました。
左から、
①辺の中央を中心に合わせる五角たとう
( → ASOPPA!さんの「【遊んでみよう】5枚弁-折り紙」 で切り出した五角形の辺を中心に合わせて順番にたたむ)
➁角を中心に合わせる五角たとう
(①同様に切り出した五角形の角を中心に合わせて順番にたたむ)
③➁の変形で、ねじるようにたたむ五角たとう
( → たつくりのおりがみ(YouTube)さんの「春の折り紙 桜のポチ袋(たとう包み)の作り方音声解説付」 を参考に、花びらなしの正五角形を縁が重なるようにたたむ)
④五角形の手紙折り
( → ORIGAMI HACKさんの「【折り紙】手紙折り・たとう折り(五角形編)」 )
です。
サイズ的に、三つ折りの紙幣を包めるものはありませんでした。
硬貨は、①はシールでの封が必要ですし、➁・④だと飛び出てきてしまいます。
折り紙だけで安心して包めるのは、ねじるようにたたむ③です。
使う紙の大きさを変えても、➁は紙の重なりが少なめなのでお金を包むにはあまり向かないかもしれません。
①・③・④は大きめの紙で折れば紙幣を包むのにも良さそうです。
まとめ:普通サイズの折り紙で作れるポチ袋、お金を包むならどれがベスト?
今回試した結果を表にまとめました。
・普通サイズ(15㎝角)の折り紙を使う
・シールなし
の状況であれば、
紙幣なら、
・紅包みアレンジの包み
・封筒
硬貨なら、
・糸入れ
・小銭入れ
・六角形の手紙(コースター)
・ねじるようにたたむ五角たとう
がお金をしっかり包めて機能的だと感じました。
今回の結果は、あくまでも15㎝角の折り紙を使った場合です。
15㎝角で折るとお金を包むのに適さないものでも、紙のサイズを工夫して包むものに近い大きさにすれば十分使える折り方もたくさんありますよ。
ものを包める折り紙は、折る楽しみだけでなく、使える楽しみも大きいですね。