ケアマネの仕事内容 & うまく付き合うコツ

実は、「ケアマネージャー」ではなく「ケアマネジャー」です。ひとやすみ

「ケアマネ」や「ケアマネジャー」という言葉、1度は耳にされたことがあるのではないでしょうか?

介護保険サービスを使っていくには欠かせない存在ではありますが、

「なんでみんなケアマネ、ケアマネって言うの?」
「どんな仕事をしているの?」
「うまく付き合うポイントは?」

という疑問も湧いてくるのではないでしょうか?


わたし自身10年以上ケアマネジャーの仕事をしてきましたし、利用者家族の立場で5人のケアマネジャーさんの仕事を拝見してきました。

ケアマネジャー側・利用者側の両方を経験してみて、ケアマネジャーとうまく付き合うには、
利用者側の不安・疑問・ 困りごと・ 希望をその都度、言葉にして伝えていくことが大切だと感じています。


ここでは、ケアマネジャーの基本的な仕事の内容をご紹介します。

すでにご家族やご自身に担当のケアマネジャーさんがいるという方も、これからという方も、ケアマネジャーの仕事の内容を知っていて損はないと思います。

「なんでケアマネにそんなことまで聞かれなくちゃいけないの?」
「あの人のケアマネはすごくよくしてくれるのに、うちの担当ケアマネはちっとも動いてくれない!」
「ケアマネジャーを変えたい・・・」

などの不満をお持ちなら、それが妥当なのか、過剰な期待なのか判断する目安にもなります。


日常生活に関わる部分だからこそ、ケアマネジャーとは気持ちよくお付き合いいただきたいですし、何より、有益で満足のいく介護保険サービスの利用をしていただきたいです。

ケアマネジャーは計画(=ケアプラン)を作りスムーズに動かすのが仕事です

ケアマネジャーとは

ケアマネジャーの受験資格

ケアマネジャーとは、介護保険法に規定される「介護支援専門員」のことです。

介護支援専門員を「ケアマネジャー」とも呼ぶので、略して「ケアマネ」と呼ばれることが多いです。

利用者さんにできる限り自立した日常生活を送っていただけるよう、

  • 利用者さんからの相談に乗る 
  • 必要な介護サービスを適切にご利用いただくための計画(=ケアプラン)を作る 
  • 関係者と連絡調整する 

のが仕事です。

福祉・医療・保健分野で一定の実務経験のある人(介護福祉士、社会福祉士、看護師、保健師、理学療法士、作業療法士、薬剤師、医師など)が、試験に合格し、研修を受け、都道府県に登録することではじめてケアマネジャーの仕事ができます。

ケアマネジャーの登録は5年ごとに更新が必要で、数日間に渡る研修を修了することが更新の要件となります。

ケアプランとは

介護保険サービスを使うにはケアプランが必ず必要です

ケアプランとは、「介護サービス計画」と呼ばれる計画のことです。

介護保険には多種多様なサービスがありますが、人の日常生活を支えるには介護保険のサービスだけでは不十分です。

ケアプランは利用者さんにできるだけ自立した日常生活を送っていただくことを念頭に、介護保険内外のサービスを組み合わせて作られます。

ケアプランには

  • 利用者さんや家族の希望
  • めざす日常生活の目標
  • 解決が必要な課題
  • 利用する介護サービスの内容、役割、頻度
  • 利用料金

などがまとめられます。

ケアプランに沿って、いろいろな立場・職種の人がそれぞれの役割を果たしていきます。

利用者さん一人一人の希望、心身の状態、協力者の有無、利用可能な公的制度、経済力などによってケアプランの内容は変わります。


介護度が軽くても重くても、自宅での介護サービス利用でも、施設入所でも、介護保険サービスを使うにはケアプランが不可欠です。

現時点で、ケアマネジャーにケアプランを作ってもらうため、利用者さん側で負担する費用はありません。

ちなみに、自宅で介護サービスを利用する場合のケアプランは、利用者さんご自身で作ることもできます。

ただ、実際には介護サービス事業者の情報を得にくい、手間がかかりすぎる、などの理由でケアマネジャーに依頼するケースが圧倒的に多いです。

ケアプランは「作る→実行する→見直す」をくり返します

ケアプランはPDCAサイクルと教わりますが、OODAループがしっくりくることも・・・。

ケアプランは、


解決が必要な課題の把握(=アセスメント)
 ↓
ケアプラン原案の作成
 ↓
サービス担当者会議の開催
 ↓
利用者さんやご家族への説明と同意
 ↓
ケアプランの実施状況の把握と評価(=モニタリング)



という流れで作られ、実行され、見直されていきます。

どのプロセスも欠かせないのが介護保険上のケアプランです。

並行して、「利用者さんからの相談に乗る」、「関係者との連絡調整」が行われます。


利用者さんにとって有益なケアプランにするためには、

  • 利用者さんの心身に関する情報
  • 家族を含む利用者さんを取り巻く環境
  • 利用者さんの考え方
  • 介護サービス等を実際に使ってみてどうだったかという利用者さん側の意見
  • サービス提供側の報告・分析

などの情報が欠かせません。

情報がケアマネジャーに集まることで、利用者さんにとってより良いケアプラン、つまり、介護サービスのより有効な利用につながります。

ケアプラン以外の仕事

ケアマネジャーにはケアプランを作り、スムーズに動かす以外にも様々な仕事があります。

  • 利用者さんの要介護認定の手続きの支援 
  • 要介護認定のための訪問調査(公平性を期すため、ケアマネ自身の担当利用者さんの調査を制限している地域もあります) 
  • 利用者さんが施設入所を希望された場合の施設の紹介 
  • ケアマネや介護サービス事業者への苦情相談 
  • 利用者さんの入退院時の病院側との相談や連絡調整
  • 利用者さんへの支援内容の記録作成 
  • 自宅で介護サービスを利用する場合の、利用者さんが実際に利用した介護保険サービス量の管理と報告

など、挙げるときりがありません。

いずれにしても、利用者さんにできる限り自立した日常生活を送っていただけるよう、必要な介護サービス等を適切に利用するための仕組み作りとその管理がケアマネジャーの仕事です。

ケアマネジャーとうまく付き合うには

不安・疑問・困りごと・希望をその都度伝えていくことがケアマネジャーとうまく付き合うコツです

ケアマネジャーとうまく付き合うコツは、地味なようですが、利用者さんや家族の不安・疑問困りごと・希望をその都度、伝えていくことです。

介護を必要とする生活はそれだけで精神的な負担が大きいものです。

細かな不安や疑問を放っておかず、できるだけその場その場で解決、もしくは専門家に共有してもらうことが大切です。

困りごとや希望も、介護の場面に限定するのではなく、「日常生活」という面でも考えてみてください。


介護保険サービスの目的は、利用者さんができる限り自立した日常生活を送れることです。

無理に全てを自分で担うのが「自立」なのではなく、必要な手助けを受けながら自分の生活を選んでいくことが「自立」なのだと思います。

ケアマネジャーと利用者さん・家族との十分な意思疎通は、有益なケアプラン作りに必要不可欠です。

有益なケアプランが作られ、実行されることで、良質の介護サービスを効率よく利用でき、満足度の高い日常生活を送ることができますよ。

ひとやすみ
よろしければ、フォローをお願いいたします。
ちょっとひとてま ひとやすみ