「盛りかご」と「水引(みずひき)」は伝統的な贈り物のかたち
盛りかごとは
盛りかごは、かごに食べ物やお線香、ろうそくなどをかごに盛りつけたものです。
葬儀や法事のときのお供え物にもなりますし、お祝いやお見舞いの品にもなります。
食べ物は、缶詰、お菓子、フルーツ、インスタントコーヒー、乾物などさまざまです。
水引とは
水引(みずひき)は、冠婚葬祭で使われる贈り物の包み紙などにかける、和紙でできた紐です。
贈る相手や場面によって、紐の色、本数、結び方を変えることで、いろいろなメッセージを込めます。
フルーツの盛りかごと水引の飾りを作るイベントに参加しました
フルーツを使った盛りかごと水引をアレンジした飾りを作る親子体験イベントがあることを新聞で知り、娘と一緒に参加してみました。
日時:2019年2月23日(土) 14:00~16:00
主催・会場:有限会社 八百傳商店
参加費:盛りかごひとつにつき1,080円
八百傳商店さんは、江戸時代末期から150年以上続く食料品販売・葬祭業の老舗です。
スタッフの皆さんは、電話での申し込み時点からイベントの終わりまで、ずっと温かい対応をしてくださいました。
盛りかご作り
①だれに、どのような使い道で贈りたいのかを考えます。
今回、わたしは夫に、娘は夫の両親にふだんの感謝を伝えるかご盛りを作ることにしました。
②用意された中から約1,000円分のフルーツを選びます。
あらかじめ贈る相手を決めているので、相手の好きなもの、よろこんでもらえそうなものという視点で選べました。
③用意されているかごにフルーツを盛ります。
幅20cm、高さ10cmほどの底が楕円形のかごを使いました。
かごの正面を決めたら、カラーの不織布を敷いて、バランスを考えながらフルーツを置いていきます。
パイナップルは葉のギザギザでラッピングのビニールが破けてしまうことがあるので、包丁でななめにカットします。
④フルーツを盛りつけたかごごと、ラッピング用のビニールに入れ、リボンで飾ります。
かごの下の両脇にだぶついてしまうビニールはセロハンテープで後ろ側に貼りつけます。
わたしは、夫の好きな「すっぱいもの」と「オレンジ色」を意識して盛りかごを作りました。
娘は、夫の母が好きだと言っていた色、よく食べているものを思い出して作っていました。
あまり多くのフルーツは盛りきれないのかなと思いましたが、ひとつのかごに7~8種類も盛ることができました。
フルーツそのものの色や形のおかげで、ラッピングにこらなくても華やかで「特別な贈り物」感が出ます。
飾り付けは水引(みずひき)のアレンジ
「あわじ結び」と呼ばれる水引の基本の結び方を習いました。
結びはじめる前に、水引を指でしごいてなめらかにしておくと、曲線がきれいに作れます。
3本の水引で作った「あわじ結び」の両端をハート型になるように留め、メッセージカードに貼りました。
水引をしごくときや、ポイントごとに結ぶ途中の水引を押さえるときに、指の力が必要です。
娘も、参加した他のお子さんたちも、苦戦しながら仕上げていました。
わたしは前から気になっていた水引細工の、基本となる「あわじ結び」を直接習えて大満足でした。
本で見るだけではイメージしにくかったからです。
水引を作っているとき、他の保護者さんたちのうち、お母さん方から「楽しい」「ちょっとハマりそう」という声が聞こえてきました。
できあがり
八百傳商店さんのスタッフさんが丁寧に、ほめながら教えてくださったので、水引の飾り作りで苦戦していた娘もなんとか最後まで仕上げることができました。
盛りかごと水引の飾りの贈り物
夫の両親と夫へそれぞれ、フルーツの盛りかごを贈りました。
どちらも驚きつつ、よろこんで受け取ってくれました。
相手を思う気持ちを形にするのは、はるか昔から行われてきたことです。
今に伝わる水引や、盛りかごの内容は、思いを伝えるために先人たちが工夫を重ねてきた素晴らしい形のひとつです。
伝わってきた形を知ることも大切ですが、それにとらわれ過ぎず、相手への思いを素直に贈り物の形にしていくことが大切なのだと改めて思いました。