地球から見た1年の太陽の動きを24等分し、季節を表す二十四節気(にじゅうしせっき)。
二十四節気の各節気をさらに5日くらいずつに分けたのが七十二候(しちじゅうにこう)です。
5月5日~5月19日頃は二十四節気の「立夏(りっか)」です。
立夏は夏のはじまりです。
七十二候のうち、立夏の時期に当たる三候をイメージした消しゴムはんこを作ってみました。
二十四節気・立夏の時期の三候をイメージした消しゴムはんこ
二十四節気の立夏は、七十二候で
・「蛙始鳴(かわずはじめてなく)」
・「蚯蚓出(みみずいずる)」
・「竹笋生(たけのこしょうず)」
の三候に分けられています。
蛙始鳴(かわずはじめてなく)
5月5日~5月9日頃は「蛙始鳴(かわずはじめてなく)」です。
カエルが鳴きはじめるという意味です。
わたしはNHK Eテレの5分間番組「びじゅチューン!」の影響を多分に受けており、カエルのモチーフとして真っ先に思い浮かべたのが国宝・鳥獣人物戯画のカエルです。
以前、鳥獣人物戯画の中のカエルとウサギが相撲をとっている場面がプリントされた付箋をおみやげに頂いて、もったいなくて使えずにしまってありました。
このふせんに載っているカエルと相撲相手のウサギを、消しゴムはんこで彫りました。
もともとの図案ではカエルの体の模様やウサギの毛並みが描かれていますが、わたしの技術では再現が難しいです。
びじゅチューン!作品の「鳥獣戯画ジム」にならい、カエルとウサギにトーニングウエアを着せ、線を簡略化しました。
蚯蚓出(みみずいずる)
5月10日~5月14日頃は「蚯蚓出(みみずいずる)」です。
ミミズが地上に這い出るという意味です。
ミミズは「自然の鍬(クワ)」ともいわれ、豊かな土壌の象徴です。
豊かな土から生まれる自然や農産物は宝物ですので、はんこでは宝物つながりで伝統文様の七宝(しっぽう)を彫りました。
伝統文様の七宝は、
- 金
- 銀
- 瑠璃(るり)
- 玻璃(はり)
- 珊瑚(さんご)
- 瑪瑙(めのう)
- シャコ
という、仏教でいうところの七宝ともつながりがあるのだとか。
円を重ねた連続文様で、「輪違い」とも呼ばれます。
わたしは、どこまでも広がる、豊かで円満でやさしいこの七宝文様が好きなので、ミミズと直接関係無いのは承知の上で消しゴムはんこを作りました。
別の場面でも使えたらいいなと思います。
竹笋生(たけのこしょうず)
5月15日~5月19日頃は「竹笋生(たけのこしょうず)」です。
タケノコが生えてくるという意味です。
掘りたてのタケノコは生のままいただけると聞いたことがありますが、まだ体験したことがありません。
米ぬかと一緒に煮て下ごしらえしたタケノコを実母から分けてもらうばかりですが、タケノコごはんを食べると「あぁ、またこの季節になったんだなぁ」と実感します。
消しゴムはんこは、家紋で描かれていたデザインをもとにしてタケノコを彫りました。
参考サイト・書籍
国立天文台 天文情報センター 暦計算室
Wikipedia「七十二候」
All About 暮らし/暮らしの歳時記「立夏とは?2020年はいつ?読み方や意味、過ごし方を解説」
下中菜穂「ガジェットブックス シリーズかたち 新版【文様切り型】」エクスプランテ,2009年
森本勇矢・著、日本家紋研究会・監修「日本の家紋大事典」日本実業出版社,2013年立夏の箸袋とおまけの付箋:作った消しゴムはんこと懐紙・付箋で
作った消しゴムはんこを、夫のお弁当用の箸を包む箸袋の飾りに使いました。
懐紙を半分に切り、三つ折りにした箸袋に消しゴムはんこを押します。
タケノコというと、高畑勲さんと宮崎駿さんの映画「パンダコパンダ」(1972年)に登場する子パンダのパンちゃんがおいしそうにタケノコを食べていた姿が印象に残っています。
「竹笋生」の箸袋は、タケノコだけでなく、以前作ったパンダの消しゴムはんこも添えて押してみました。
そして、「蛙始鳴」で作ったカエルとウサギの消しゴムはんこは、頂き物の付箋をまねて、わたしも大きめサイズの付箋の隅に押してみました。
お手本にした中川政七商店さんの鳥獣戯画の付箋をおみやげにくださった上司へプレゼントしました。
おそらく、喜んでもらえたのではないかと思います…。