先日、かぎ針編みのブックカバーを作りました(「びじゅチューン!『夢パフューマー麗子』をイメージしたかぎ針編みのブックカバー」)が、ブックカバーの使い勝手としてはあまりよくありませんでした。
かぎ針編みなので、カバーをかけるときに本の角が編み目に引っかかってしまうのです。
そこで、NHK Eテレの5分間番組「びじゅチューン!」の作品のひとつ、「武蔵の遅刻理由」をイメージして、より使い勝手のよいブックカバーを手縫いで作ってみました。
びじゅチューン!「武蔵の遅刻理由」とは
びじゅチューン!は、NHK Eテレで放送されている5分間番組です。
古今東西の美術作品を、アーティスト・井上涼さんの作った歌とアニメーションで楽しく紹介してくれます。
(びじゅチューン!の公式サイトはこちら)
「武蔵の遅刻理由」はびじゅチューン!作品のひとつです。
浮世絵師・歌川国芳の「宮本武蔵の鯨退治」がモデルです。
1847年頃の作品で、江戸時代初期の剣豪・宮本武蔵がひとりでクジラを退治している伝説の場面が描かれています。
一般的な浮世絵のサイズは大判1枚=縦39cm×横26.5cmですが、「宮本武蔵の鯨退治」は大判3枚に渡っています。
歌川国芳は猫好きで、懐に猫を抱きながら絵を描くこともあったそうです。
「武蔵の遅刻理由」のお話の内容
武蔵さんは小次郎さんと決闘する約束をしていたのに遅れてきました。
遅刻した理由を、
「荒波に疲れたクジラからビッグサイズの服がないと相談され、手縫い二刀流でクジラにドット柄のワンピースを仕立ててあげたから」
と話す武蔵さん。
でも、小次郎さんは昼寝していた武蔵さんを見ていたのです・・・。
「武蔵の遅刻理由」イメージのブックカバー・しおり付き
手縫いでブックカバー本体を作りました
「夢パフューマー麗子」イメージのブックカバーを作ったとき、大きさや構造を参考にさせていただいたのがnunocoto fabricさんのサイト「基本のブックカバーの作り方」です。
今回もこちらのサイトを参考に、文庫本サイズの布製のブックカバーを作りました。
武蔵さんのような二刀流はできませんが、「ちくちく手縫い」です。
布は、手芸屋さんで見つけたパッチワーク用のはぎれ布です。
布の大きさが縦50cm×横30cmのため必要な横幅が足りず、はぎ合わせました。
外側になる布は、黒地に白の水玉模様と白色の無地の布で土台を作り、クジラの目や口を刺しゅうしました。
内側になる方の布は、赤色の無地にしました。
手縫いで作るにあたって助かったのが、和裁教室で習った基本的な技です。
(運針と本ぐけは、「【和裁の基本技3つ】着物じゃなくても役立ちます」の記事で紹介しています。)
例えば、
・縫い線の印をつけるとき
→ 折りをつける
親指の爪と人差し指でしごくようにして折り目をつけます
・ブックカバーの本体を縫うとき
→ 運針
・布をはぎ合わせたり、布でリボン状のものを作ったりするとき
→ きせをかける
縫い目が表から見えないよう、布を縫い目にかぶせて仕上げます
・表に返すときの返し口を縫いとじるとき
→ 本ぐけ
です。
わたしはミシンとあまり相性が良くないですし、わが家にミシンもありませんので、縫い物は手縫いをするしかありません。
和裁教室で教わったことは、着物以外のものを作るときに細かな部分でも役立っています。
しおりはくじらワッペンと猫
しおり用の紐は、刺し子糸を三つ編みにしました。
紐の先端にチャームとしてくじらワッペンと猫を付けました。
洗えるフェルトで形作り、「武蔵の遅刻理由」の後半のアニメーションに登場するくじらワッペンと、歌詞係の猫を再現すべく、刺しゅうやアップリケをします。
しおり紐を挟んでブランケットステッチでかがりました。
余計な引っかかりがなく、使いやすいです
かぎ針編みのブックカバーと比べると、本にカバーを掛けるときに余計な引っかかりがなく、動作がスムーズです。
実用性では、「夢パフューマー麗子」イメージのブックカバーよりも、「武蔵の遅刻理由」イメージのブックカバーの方が格段に使いやすいです。
おまけ:「武蔵の遅刻理由」と他のびじゅチューン!作品
「武蔵の遅刻理由」に登場する武蔵さんと小次郎さんは、「人を真似る瓶」に二人で登場しています。
また、歌川国芳の「みかけハこハゐがとんだいゝ人だ」が「夏野菜たちのランウェイ」の解説部分で紹介されています。
びじゅチューン!「武蔵の遅刻理由」は、びじゅチューン!DVD BOOK3(小学館)に収録されています。