びじゅチューン!「人を真似る瓶」で折り紙

びじゅチューン!

NHK Eテレの5分間番組「びじゅチューン!」の作品のひとつ「人を真似る瓶」のキャラクターをモチーフにして100均の材料でオリジナル扇子を作ったことがあります。

( 過去記事→「【オリジナル扇子作り】100均でそろう材料でお手頃&お手軽に」、「 【扇子入れ】100均の材料で試しに作ってみた結果・・・」 )


今回は、「人を真似る瓶」をイメージして折り紙をしてみました。
 

びじゅチューン!「人を真似る瓶」とは

びじゅチューン!は、NHK Eテレで放送されている5分間番組です。

古今東西の美術作品を、アーティスト・井上涼さんの作った歌とアニメーションで楽しく紹介してくれます。
(びじゅチューン!の公式サイトはこちら


「人を真似る瓶」はびじゅチューン!作品のひとつです。

フランスの画家エドゥアール・マネの「フォリー・ベルジェールのバー」がモデルです。

大きな鏡の前に立つバーテンダーの女性を中心に、鏡に映る店内やお酒の瓶が描かれています。

92cm×130cmの大作で、絵が完成したのはマネが亡くなる前年の1882年でした。


びじゅチューン!にはマネの「笛を吹く少年」(1866年)がモデルの「火消しが来りて笛を吹く」という作品もあります。

「人を真似る瓶」のお話の内容

ミュージックホールのフォリー・ベルジェールは忙しいお店ですが、アルバイトの店員さんたちがそろって風邪でお休みになってしまいました。

人手不足に困る店長さんに、カウンターにいた瓶が「私ノ出番!」と申し出ます。

魔法で女性に変身した瓶が、ぎこちないながらも健気に働き、フォリー・ベルジェールの夜を守るのです。

「人を真似る瓶」をイメージして折り紙をしました

びじゅチューン!「人を真似る瓶」イメージの折り紙

びじゅチューン!「人を真似る瓶」は、瓶が人間たちの世界に憧れつつ、温かく見守ってくれます。

瓶と瓶が変身する女性のドレスを折り紙で折ってみました。


わたしは、瓶の「イツモ カウンター デ 見テタワ 心ガ 花咲ク トコ」という言葉と、心がまさに花開く様子が描かれたアニメーションが好きなので、カウンターに飾られているバラの花も含め、花を多めに作りました。

「心ガ 花咲ク トコ」のアニメーションで咲く花はボタンのように見えるのですが、今回は大きな白いバラにしました。

【追記】「びじゅチューン!DVD BOOK5」(小学館)によると、アニメーションでこぼれるように咲く大輪の花は、マネの「台座の上の芍薬の花瓶」(1864年)という作品からくるシャクヤクだそうです。


フォリー・ベルジェールの外を散歩する黒猫も登場させました。


できあがりは一般的な折り紙の大きさと同じ、15cm×15cmです。

それぞれのパーツを作ってから、15cm×15cmの折り紙に貼りました。

びじゅチューン!「人を真似る瓶」イメージの折り紙で使った折り紙

折り紙作家・カミキィさんの作品を参考に作ったパーツたち

わたしが折り紙をするときのお手本は、折り紙作家・カミキィさんの著書「カミキィの季節のおりがみ」(日本文芸社)とYouTubeであることが多いです。

カミキィさんの作品は簡単なのにかわいらしく仕上がるのでとても助かります。

YouTubeはていねいな工程を見ることができるので、本だけでは折り方がよくわからないときや、本に載っている以外のモチーフの折り方を知りたいときに便利です。


カミキィさんのYouTube「kamikey origami 創作折り紙 カミキィ」はこちら



瓶

主役の瓶は、カミキィさんの著書で紹介されている「くま」を変形させて7.5cm×7.5cmの黒色の折り紙で折りました。

栓の部分を3.75cm×3.75cmの濃い黄色の折り紙で適当な大きさに折り、黒色の本体に重ねました。

白色の折り紙を瓶本体の大きさに合わせて切り、黒のボールペンでラベルの縁を描き込みました。

栓にも黒のボールペンで目、鼻、口を描きました。


ハートと黒猫

薄緑色のハートはカミキィさんのYouTubeで紹介されている「細長ハートのしおり」のふつうのハートバージョンを7.5cm×7.5cmの折り紙で作りました。


黒猫は、YouTubeの「折り紙の【ねこ】1枚で全身作れる♪」を黒色の5cm×5cmの折り紙で折りました。

白色の折り紙を切り取った目を貼り、黒色のボールペンで黒目を描きました。


バラ

大小のバラは、カミキィさんの著書で紹介されている「バラ」と「はっぱ」です。

大きいバラは白色の15cm×15cmの折り紙で花を、緑色の2.5cm×2.5cmの折り紙で葉を作りました。

小さいバラはクリーム色と桃色の5cm×5cmの折り紙で花を、緑色の1.25cm×1.25cmの折り紙で葉を作りました。

ドレスは折り紙作家・山口真さんの著書を参考にしました

変身後のドレス

わが家には折り紙作家・山口真さんの著書も2冊あります。

今回は「四季のおりがみ百科」(ポプラ社)を参考にさせていただきました。

ドレスの上半身は「レインコート」を黒色の7.5cm×7.5cmの折り紙で作り、裾部分を段折りにし、Vネック部分に白色の折り紙をはさみました。

スカートは「れんじし」の「はかま」を灰色の7.5cm×7.5cmの折り紙で作り、プリーツの開き具合を調整しました。

温かな気持ちになる、びじゅチューン!「人を真似る瓶」

びじゅチューン!作品は、いつも作者である井上涼さんの発想に驚かされますし、楽曲に込められたやさしく力強いメッセージにそっと励まされることも多いです。

「人を真似る瓶」は、魔法で人間に変身して懸命に働く瓶の健気な様子も魅力ですが、人間に対する瓶の温かな視点が心に沁みます。

瓶は人間に対して、

「あなた方は美しい 触れるとやわらかい あったかい ケンカをしても割れない そのつながりなんだかうらやましい」

と思ってくれています。

瓶同士は強くぶつかると割れておしまいですが、人間同士はぶつかってもまた関係を築き直すこともできるのです。

瓶がうらやましがってくれる世界は、とてもやさしく温かです。

ひとりひとりの個性が埋もれることなく、ときにケンカをしながらもお互いの心地いい距離でつながって暮らす、というのは瓶だけでなくわたしもあこがれますし、身近なところからめざしていきたい世界です。


「人を真似る瓶」は「びじゅチューン!DVD BOOK5」(小学館)に収録されています。