和裁教室の先生や先輩生徒さんが博多織の帯を締めておられて素敵だなと思っていました。
博多織の帯は緩みにくいので初心者でも締めやすいという評判もよく耳にします。
せっかくなら、ふだんからどんどん使える半幅帯がいいかなと思い、黒ベースと白ベースの献上柄の半幅帯を買いました。
帯の両端が始末されていない状態で手元に届きます。
縫わずに端を折り込んで使う方法もありますが、見た目があまり好みではありません。
和裁教室の先生に相談に乗っていただき、わたしの好みと使い勝手を考え、三つ折りにして縫う方法で始末しました。
博多織の半幅帯の端の始末
献上博多織の単(ひとえ)の半幅帯を買いました
起源を鎌倉時代までさかのぼる博多織は、有名な絹織物です。
福岡県福岡市の特産品のひとつで、国の伝統的工芸品にも指定されています。
江戸時代には幕府への献上品になっており、そのときに用いられていた柄が献上柄と呼ばれるようになりました。
献上柄は、図案化された仏具の独鈷(どっこ)と華皿(はなざら)、縞が組み合わされています。
わたしが買ったのは、黒地に白色で献上柄が織られた半幅帯と、白地に紺色で献上柄が織られた半幅帯です。
裏地も芯も付いていない、一枚織りの単(ひとえ)帯です。
本体は単(=一枚もの)ですが、両端は袋状になっています。
端の始末の方法いろいろ
調べてみると、半幅帯の端の始末の仕方もいろいろあるようです。
できあがりの見た目で、
①袋の部分を折り込む
②袋の部分をカットする
のふたつに分類できます。
①袋の部分を折り込む
両端の袋になっている部分を内側に折り込んで始末する方法です。
帯を締めてしまえばほとんど見えないのですが、柄のない部分が表にも出てしまうことがわたしには少し気になります。
袋の部分をカットしてから折り込めば、折り込んだ端の部分は狭まります。
折り込んだ部分を「本ぐけ」という、裏にも表にも縫い目が出ない方法で縫い押さえますが、折り込むだけでも良いようです。
「和を遊ぶ きもの 浅野屋呉服店・きものまめ知識『正絹 博多織小袋帯・単四寸帯 端くけの仕方』」で詳しい方法を知ることができます。
②袋の部分をカットする
両端の袋の部分をカットし、三つ折りにして縫って始末する方法です。
柄のない部分が表に出ることはありません。
わたしが和裁教室の先生に相談して教わったのはこちらの方法です。
三つ折りにした後、「千鳥掛け」、「折りぐけ」、「まつり縫い」のいずれかで縫い押さえればいいけれど、千鳥掛けや折りぐけは縫いにくくて大変だろうから、まつり縫いで良いのではとアドバイスいただきました。
「ふだん着物のtonton」さんがYouTubeで紹介してくださっている、ミシンを使った「単衣の半幅帯の端の始末」も、こちらの方法です。
袋になっている部分をカットし、三つ折りぐけをしました
仕上がりの見た目がよりすっきりする、袋の部分をカットし三つ折りにして縫い押さえる方法で始末することにしました。
わたしはミシンと相性が良くないので、手縫いです。
上記①の浅野呉服店さんのサイトで、合う色の糸がなければ、切り取った生地の端から横糸を引き出して使うと良いと載っていました。
撚りのかかっていない糸なので縫いづらいけれども、わざわざ糸を買いに行かなくても済む、とのことです。
多少縫いづらくても、色の合う糸で縫いたいと思い、カットした生地から横糸を引き出し、二本取りにして使うことにしました。
和裁教室の先生からは、「折ぐけは大変だからまつり縫いで十分」とアドバイスいただきましたが、覚悟を決めて折りぐけで縫いました。
(折ぐけについては、よろしければ過去記事「【和裁の基本の縫い方3つ】着物じゃなくても役立ちます」をどうぞ。)
模様の部分に縫い目が出てしまわないようにしながら、一目ずつゆっくり縫いました。
生地が固めなので時間は掛かりましたが、縫う距離自体は少ないのでくじけずに済みました。
たくさん使いたい博多織の半幅帯
手間と時間はちょっとかかりましたが、自分好みの見た目で半幅帯の両端の始末ができました。
「見た目」といっても、締めてしまえばほとんど見えないのでそれほどこだわる必要もありません。
でも、頻繁に身に着けたいものだからこそ、わずかな部分も自分好みにしたかったのです。
実際に帯を締めてみると、緩みにくく適度な張りがあるのでとても快適です。
黒ベースも白ベースも、わたしがふだん着たい着物の色柄に合わせやすいので、どんどん使いたいと思います。