先日、手縫いの布マスクを作るのに久しぶりにさらし布に触れました。
さらし布の手触りは気持ちが落ち着きます。
しばらく刺し子をしていませんでしたし、家で過ごす時間がいつも以上に長くなっているので、刺し子のふきんを作ることにしました。
規則的な伝統模様も好きなのですが、今回はNHK Eテレの番組「びじゅチューン!」で放送された「お互い擬態」という作品をモチーフに刺し子をしてみました。
びじゅチューン!「お互い擬態」で作る刺し子のふきん
びじゅチューン!「お互い擬態」とは
NHK Eテレの「びじゅチューン!」は、古今東西の美術作品をアーティスト・井上涼さんの歌とアニメーションで楽しく紹介してくれる5分間番組です。
(びじゅチューン!の公式サイトはこちら)
「お互い擬態」は2020年3月25日に初めて放送された作品で、平安時代後期に彫られたとされる大分県豊後高田市の熊野磨崖仏(くまのまがいぶつ)がモデルです。
岩場で待ち合わせ中の大日如来(だいにちにょらい)さんと不動明王(ふどうみょうおう)さんが、相手を驚かせようとそれぞれ岩に擬態します。
隣にいるのにお互い気が付かないまま長い年月が過ぎ、800年経ってようやく出会えたというお話です。
びじゅチューン!で描かれる大日如来さんと不動明王さんが、なんとも味わい深くかわいい姿です。
画面右下で歌詞係を務める鬼さんをはじめ、ちらりと登場するキャラクターたちもそれぞれいい表情です。
好きな図案で作る刺し子のふきん
刺し子のふきんというと、七宝つなぎや十字花刺しなどの規則的な伝統模様が思い浮かびやすいです。
でも、中には自由な図案の刺し子のふきんもあります。
わたしは今まで伝統柄の刺し子しかしたことがありませんでしたが、今回はびじゅチューン!「お互い擬態」のキャラクターたちを図案にした刺し子に挑戦してみました。
びじゅチューン!「お互い擬態」で作る刺し子のふきん
作り方
①図案を決める
録画していたびじゅチューン!「お互い擬態」を再生して好きな瞬間で一時停止し、キャラクターたちを紙に模写しました。
②さらし布に図案を写す
完成後の縮み予防のため、一度洗ってアイロンをかけたさらし布に図案を写します。
外枠を描いてから、図案を配置していきます。
図案は30㎝×30㎝の枠に収まるようにしました。
さらし布は一枚なら裏側が透けるので、下描きした図案にさらし布を重ね、チャコペンでなぞり描きしました。
細い線の描けるチャコペンがあると便利です。
こすると消えるボールペンをチャコペンの代わりにされる方もいらっしゃるそうですが、まだ手持ちのチャコペンが使えるのでわたしは試したことがありません。
③ふきんを仕立てる
仕立てると言っても、わたしは洗った後の乾きやすさを重視し、一辺を縫うだけです。
中表に折ったさらし布の輪と反対の辺を縫い、表に返します。
④図案を刺していく
刺し子専用の太目の針や糸もあるのですが、細かい部分もある図案なので、和裁教室で用意していただいた縫い針と細口の手縫い糸を使いました。
はじめに、四方の大きな枠を刺します。
次に、小さな枠を作るように直線を刺します。
その後は、刺す部分が一方に偏らないように注意しながら図案を刺していきます。
特別な刺し方はしておらず、表側に針目が大きく出るように意識しながらひたすらなみ縫いをしていくだけです。
縫い始めと縫い終わりは玉結びせず、2~3針重ねて縫うことで糸を留めます。
糸端は布と布の間に収めるようにしました。
⑤洗ってチャコペンの線を消したら、できあがり
チャコペンの跡が残っているので、洗って跡を消して乾かしたら完成です。
家事や仕事の合間の時間に作業しましたので、図案の下描きに3日ほど、さらし布に図案を写して刺し始めてから完成まで4日ほどかかりました。
一部をアップすると、
こんな感じです。
裏側は、
このように、表側に比べて小さい針目が並んでいます。
自分好みの図案の刺し子も楽しいです
初めて伝統模様以外の柄の刺し子をしてみました。
規則的な伝統模様は無心になれて、作業後のなんともいえない爽快感がたまりません。
今回ももちろん集中して作業する時間になりましたが、好きな図柄がどんどんできあがっていくワクワク感が大きかったです。
伝統模様は完成までの道のりの長さにくじけそうになることもありますが、今回はそんな気持ちになる間もなくふきんを完成できました。