「タータン展 伝統と革新のデザイン」を観てきました

娘と二人でタータン展を観てきましたひとやすみ

絶妙な色の組み合わせで作られる安定感のある格子柄のタータンには(わたしは「タータンチェック」と呼ぶ方がなじみ深いですが)、とにかく心引かれます。

子どもの頃に母から買ってもらってお気に入りだった服もタータンでしたし、自分で着るものを選ぶようになってからもタータンは身に着けやすくて重宝です。


ふだん何かとお世話になっているタータンを知る良いチャンスだと思い、2019年12月14日~2020年3月1日に新潟県立万代島美術館で開催されている「タータン展 伝統と革新のデザイン」を娘と一緒に観に行きました。

タータン展のチケット

ポスターだけでわくわくする「タータン展」

「タータン展」の開催は新聞や情報誌で知っており、広告やポスターを目にしてわくわくしていました。

展示が開催されて約1ヶ月が経った2020年1月19日(日)、ようやく観に行くことができました。


新潟県立万代島美術館  
新潟県新潟市中央区万代島5-1 万代島ビル5階 
TEL 025-290-6655

タータンについて初めて知ることがたくさんありました

「タータンチェック」が和製英語で、「タータン」が本来の呼び方であることは新潟県立万代島美術館のサイトで知りましたが、今回の展示で初めて知ることがいくつもありました。

タータンとは

タータン展のパネルと娘

タータンはウールを綾織(あやおり)にした格子柄の織物のことです。

スコットランド北西部のハイランド地方で発展しました。

昔、タータンは格子柄にこだわらずウールの綾織の布地を指す言葉でしたが、今は格子柄のデザインそのものもタータンと呼ばれていますし、素材もさまざまです。


16~17世紀頃に定着したといわれるタータンは、1746~1782年には軍隊以外の人が身につけることを禁止されました。

この間に多くの柄が失われたものの復活し、1822年のジョージ4世のエディンバラ訪問や、1842年以降のヴィクトリア女王夫妻によるタータンの愛用をきっかけに大流行しました。


日本へは、明治時代に伝わっています。

会場に置かれていた図録には、赤色ベースのタータンのワンピースを着た麗子さんを描いた岸田劉生の「童女像(麗子花持てる)」(1921年・大正10年)の写真が載っていました。


現在、タータンの保護・保存のために作られたスコットランド・タータン登記所(The Scotitsh Register of Tartans)に世界中のパターンが登録されており、登録されていないものはタータンを名乗れません。

スコットランド・タータン登記所によるタータンの定義は、

・2色以上の色を使い、それらの糸が直角に交わる格子柄 

・たて糸とよこ糸に使う糸の色の数が同じで基本パターンが繰り返される 

だそうです。

いろいろなタータン

タータンの分類はさまざまで、展示の中でわたしの印象に残っているものだけでも、  

クラン・タータン:氏族に伝わるもの 
 
ディストリクト・タータン:地域に関係するもの
 
ミリタリー・タータン:軍隊が身に着けてきたもので、ブラックウォッチもここに含まれます  

ロイヤル・タータン:王室で使われてきたもの  

コーポレート・タータン:企業が使用するもの  

ハンティング・タータン:狩猟のときに身に着けるもの  

ドレス・タータン:ドレスに使われる白を基調としたタータン  

とたくさんあります。


また、使われる糸の色も、

エンシェント(ancient)/オールド(old): やさしい色合い  

モダン(modern): 濃い色合い 

ミューテッド(muted)/ウェザード(weathered): くすんだ色合い

などがあり、同じパターンのタータンでも色合いの異なる糸が使われると別の印象を受けます。



「タータンの種類」の展示会場には多くのタータンが整然と並んでいました。

娘と、それぞれのお気に入りのタータンを教え合いながら観ていくのが楽しかったです。

タータンのストール

上の写真はわたしが使っている2枚のストールですが、左側の赤ベースはロイヤル・スチュアート、右側の白・緑ベースはドレス・ゴードンという名前なのを展示を観て初めて知りました。

展示の終盤には長岡造形大学の学生さんたちが考案した3種類の「トキタータン」候補も展示されており、優しい色合いの明るいデザインに癒されました。

ワークショップ「パーソナルカラーで自分に似合うタータンを知ろう!」に参加できました

2020年1月19日にタータン展を観覧したのは、会期中のイベントのひとつであるワークショップ「パーソナルカラーで自分に似合うタータンを知ろう!」に参加したかったからでもあります。

パーソナルカラーについてのミニ講義を受け、セルフカラー診断チャートを使った簡易診断を自分でしてみるという内容でした。

パーソナルカラーは服だけでなく、メイク道具や眼鏡を選ぶときにも活用でき、自分のパーソナルカラーを知っていると何かと便利です。


わたしも娘も、パーソナルカラーの診断を受けたことがあるのですが、セルフチェックだけでは正確な診断は難しいものだなと感じました。
(パーソナルカラー診断については、過去記事「【パーソナルカラー診断】親子それぞれで受けました」もご参照ください)

パーソナルカラーの基本的な内容や自分に似合う色を知る楽しさや多くのメリットを、講師の先生が具体例を交えつつわかりやすくお話して下さり、娘も聴き入っていました。


タータンもさまざまな色味・柄があるので、自分に似合うタータンがどのようなものかわかるとより楽しく着こなせます。

会期中、2020年2月16日(日)にも同じワークショップが開催予定とのことなので、ご興味のある方は参加されてみてはいかがでしょうか。

ただ素敵なだけじゃないタータン

タータンのインテリア

スコットランドの伝統のひとつであるタータンにも、日本の伝統文様と同じく人々のさまざまな願いや思いが込められているのだと思います。

タータンは時の権力者に使用を禁止されながらも復活し、別の権力者の庇護を機に流行・普及してきました。

波乱万丈の歴史を経て現代に伝わっているのは、それだけの魅力やパワーがタータンにあるということです。

これからタータンを目にするときは、柄の素敵さだけでなく、その背景にも意識を向けてみようと思います。

ひとやすみ
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